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(回答先: 首相、MD以外の見直しに否定的 武器輸出三原則 [朝日新聞]【対米解禁のためのマッチポンプ?】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 1 月 14 日 20:44:18)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
石破防衛庁長官から何とも物騒な見解が飛び出した。ミサイル防衛の共同研究を進めている米国とだけではなく、欧州やロシアとも兵器の開発や生産をしたい。古い自衛艦を東南アジアに輸出したい。そのために武器輸出三原則を見直すという。
日本は世界に冠たる先端技術大国である。ミサイルから小銃まで、作って売る気になれば武器輸出大国にだってなれる。そうしないのはなぜか。輸出が戦争や紛争を助長することを知っているからだ。軍事力ではなく、可能な限り平和的な手段によって世界を安定させたいという国民的な合意の反映でもあるからだ。
武器輸出は何をもたらすか。イラクのフセイン元大統領が「中東の怪物」になったのは、米欧諸国が競って兵器を売り込んだ結果でもある。小型武器のはんらんがテロを助け、またアフリカやアジアで無数の悲惨な事態を生んでいることも考えたい。
こうしたことは知らんぷりで、三原則を守っていたのでは世界の武器技術から取り残されると危機感ばかりをあおって見せる石破氏の見識を疑う。
武器の輸出をみずから禁じた三原則ができてから37年になる。当初は共産圏や紛争国向けに限っていたが、その後世界全体に対象を広げた。いまは米国への武器技術供与を例外として認めているが、武器そのものの禁輸は揺らいではいない。
ともすると見過ごされがちなのは、日本にとってこの政策が外交上の大きな「武器」になっていることだ。
兵器を売って紛争に介入することはないし、米国のように国内の軍需産業に配慮をする必要もない。武器を売りながら、一方で軍備管理を唱える矛盾も抱えないですむ。小型武器やミサイル技術移転の規制をはじめとする国際交渉で日本が強い影響力を持てているのはそのためだ。
いや、何より、アジアの国々に無用の警戒心を与えず、信頼を得るための大きな財産となっている。武器を量産しないから、自衛隊の兵器は高い。だが、そんなコストを払ってでも守るべきものなのだ。
石破氏は三原則を「冷戦期の発想だ」と批判した。これも考え違いである。地域紛争が地球を揺るがすいま、武器の輸出や流通の規制に世界の国々がますます悩んでいる現実をご存じないのだろうか。
今回の発言の背後には、日本の技術を取り込んだミサイル防衛システムを第三国に輸出したいという米国側の意図もあるのかも知れない。そうであっても、三原則全体を見直そうというのは、木を見て森を見ることをしない発想である。
石破氏の表明に、福田官房長官は「武器輸出を野放図にするわけにはいかない」と批判的な反応を示した。
石破氏は軍事知識が豊かなことで知られる。しかし、だからといって、優れた防衛庁長官になれるわけではない。