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私の視点 「拘束者の釈放」に疑問
暫定占領当局(CPA)のブレマー氏は7日、拘束しているイラ ク人の一部を釈放すると発表しました。占領当局は現在、1万人以 上のイラク人と一部外国籍の容疑者を拘束していますが、8日にま ず約100人を釈放し、その後500人程度を数週間以内に段階的に釈 放して行く予定としています。
「和解の時であり、イラク人が一丸となってやって行くときで ある」と、ブレマー氏は記者団に語り、「これは血で手を汚した 者の為ではない」と、付け加えました。当局によれば、釈放され るのは、「テロリストを拘束した時に居合わせた者とか連絡役を していたと思われる協力者」が主体となるとのことです。 ブレマー氏はさらに「同胞と仲直りしたいとする者への励まし という意味で、連合は拘束者の一部を家や家族に返すことにした」 と、情に深いところを見せました。同様の発言は、イラク行政評議 会のパチャーチ氏からも出ています。「何ヶ月も連絡が取れなくな っていた多くの家族にとっては大きな喜びになるだろう」だそうで す。
日本の新聞各紙は、このニュースを“普通”に掲載しています。 いや、日本のメディアだけではありません。欧米各紙もほぼ同様で す。
しかし、私の眼には疑問が見えます。 1月6日付の「ニュース解説」でもお伝えしましたが、米軍はこの ほど、「捕虜虐待の罪」で米兵を除隊処分させています。このニュ ースは、「慈悲深い」アメリカ人にとっては信じられないことでし た。世界が何と言おうと、イラク戦争は「正義の戦い」であり、 「イラク人を独裁者から救い、民主主義を味わわせてあげるための 戦争」であるのです。だから、捕虜の虐待は「あってはならないこ と」でした。イラク人捕虜や拘束者への虐待は、取材者が頻繁に耳 にすることです。それが、米国内に広まらないためにも、分かりや すい「善意のジェスチャア」が必要だと考えたのでしょう。
今回の措置は、米軍の容疑者の捜索や拘束のやり方への批判を和 らげようという意図もあったのではないでしょうか。国際法に照ら しても違法性の高いと言われているこの「ゲリラ狩り」、5月1日の 「戦闘終結宣言」後も収まらないゲリラ攻撃に手を焼いた米軍は、 これまで幾度も大規模な作戦を行なってきました。皆さんもTVで ご覧になったことがあると思いますが、しらみつぶしに地域全体を、 令状もないままドアをこじ開けて家に侵入し、怖がる女性や子供た ちの目の前で捜索を行なっています。突然武装したいかつい兵隊た ちが土足で家に入ってこられ、恐怖とショックで泣き声も出ない子 供たちは、眼に涙を一杯ためて身体を震わせています。
そうして拘束した人たちを、「テロリストと一緒にいたからとか 連絡役をしていた」と言って釈放するのです。しかも「家族にとっ て大きな喜び」などという恩着せがましいメッセージ付きです。
1万人以上いるといわれる拘束者の費用や人的負担も米軍を悩ませ ています。ゲリラ狩りをこれからも続ける以上、今まで以上の人数 を「国際法の範囲内」で拘束しておけないと判断したのでしょう。 米軍筋の話では、ここ数ヶ月間で数千人を釈放する予定とのことで す。