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官僚や学者やマスメディアはなぜ「権力」の道具になり下がるのか(フラー)
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/145.html
投稿者 縄文人 日時 2004 年 1 月 05 日 12:24:52:bfek92EqWeCqg
 

官僚や学者やマスメディアがなぜ「権力」の道具になり下がるのか、
これに関するとても分かりやすい説明(仮説)を、
「20世紀のダビンチ」と言われた科学者、バックミンスター・フラーは、
以下のように書き記しています。
なお、彼は「国の成り立ち」についても
「馬に乗って棍棒を持った男たち」の譬えで説明しています。
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=94

………………………………………………………………………………………………
人間の権力構造の諸起源に関する推論的な仮説

野生の馬の群れには、王となる種馬がいる。
ときおり、ある種馬の子が、他の馬より大きく生まれることがある。
種馬の王は、その子馬が一人前に成長するやいなや、闘いをしかける。
どちらか勝ったほうが、その群れに受精させることになる。

このような群れの王権をめぐる闘いは、
鳥の社会での「つつきの順位」と同様、
群れをつくる動物のほとんどすべての種の間で行われている。

もっとも初期の人類の間でも、ときおりほかの者より
ずばぬけて大きい子が生まれることがあったにちがいない。
彼はそう望んだわけではないが、大きくなってしまったのである。
そして彼が人より大きいものだから、人々は彼に言っただろう。
「もしもし、あそこのバナナを一つ私に取ってくれませんか。
 私には手が届かないんです」
男は取ってやる。
やがてまた、小男たちは言っただろう。
「もしもし、あっちに住んでいる人たちは、バナナがすっかりなくなって、
 飢え死にしそうなんです。それでここを襲って私たちを殺して、
 バナナを取ると言っています。あなたは大きい。
 私たちの前に立って、守ってくれますか」
大男は「わかった」と言い、彼らを無事守ってやる。

大男は、自分が大きいということで、しきりに利用されているのに気づいた。
彼は小男どもに言っただろう。
「お前たちを守ってやる闘いのあいまに、俺は次の闘いに備えたい。 
 俺たちは武器や道具をつくりあげることができるんじゃないか」
人々は言った。
「なるほど。では、私たちはあなたを王としましょう。
 さあ、私たちに何をすべきかを言ってください」
かくして、その大男はまったく必然的に王になるのである。
彼は、おどしでも、また温厚なやり方でも王になれたかもしれない。
だが、ことの真相は、彼が王となったのは、
一番大きくて、一番肉体的に力が強いばかりでなく、
一番巧みで賢い大男だったからにほかならない。

ときにはまた、別の大男が現れることもあったにちがいない。
「王様よ、あんたは、このあたりであまりにもたやすく、
さまざまなものを手に入れたな。俺が今度はあんたからそれを取り上げてやる」
そして壮絶な闘いが、二人の間で起こることになる。
王は挑戦者を倒し、地面にねじ伏せて言う。
「おい、お前はわしを殺して、わしの王国を取ろうとした。
 しかし、お前はいい戦士だから、殺そうとは思わない。
 このまわりには戦士が必要だ。次々とやってくる敵と張り合うためにな。
 もしお前がわしのために闘うと約束するならば、起こしてやろう。
 しかし、ゆめゆめ忘れるな。俺はお前を殺せるのだ。いいか」
男は承諾し、そこで王は彼を起こしてやる。

しかし、本能的に王は自分にそっと言い聞かせる。
「わしは決してあいつら大男どもの二人を同時に歯向かせてはならない。
 あいつらのどちらでも、わしは打ち負かせる。
 しかし、一人ずつでないとだめだ」

最も権力を持った個人、もしくはその組織的な権力構造における
最初にして一番重要な直感は、
「征服するためには分断せよ。そして征服し続けるためには分断し続けよ」
ということなのである。

その結果、並みはずれたわれらが王はいまや、
すぐれた戦士である二人またはそれ以上の大男たちから、
その地位をまんまとうまく守り通すことになる。
王は一人を「A丘の公爵」、二人めを「B丘の公爵」、三人めを「C丘の公爵」とし、
「この王だけがお前たちがすることに目を光らせている」から、
「お前たちは自分たちの領地のことだけを考えろ」とそれぞれに言う。
しかも、王は彼らを見張るスパイももっているので、
彼らは徒党を組んで王を攻撃することができない。
こうして、われらが思慮深い王は、その部族を守る闘いに成功していくのである。

しかしながら、次の戦闘期間に備えた準備をするときに、
王に従おうとしない非戦闘員の小男たちがたくさんいることがわかる。
王は家来に言う。
「あそこの悪たれ小僧を捕まえてこい。やつらはまったく目障りだ」
捕まえられた者に王は言う。
「どうやらお前の首をちょん切らなきゃならんようだな」
男は言う。
「王様、私の首を切るとは、とんでもない過ちをしでかすことになるでしょう」
王はたずねる。
「なぜだ?」
「よろしいですか、王様、申し上げますが、私には丘の向こうの、王様にはわからない敵の言葉がわかります。私はそいつが王様に何をしようとしているか、いつしようとしているか、小耳にはさみました」
「若いの、お前は最後にいいことを思いついたようだな。お前はこれから毎日、丘の向こうのわしの敵が何をしようとしているか、何と言っているか、わしに知らせるんだ。そうすれば、お前の首はそのままですむだろう。そのうえ、お前はほかにも今までやったことのないことをするのだ。お前は、この城のわしの近くできちんと決まった時間に食事をしろ。それから、お前には勅許の紫衣の上着を着せてやることにしよう(そうすれば、お前は目立ってわしは見張りやすくなる)」
こうして王は、その小男を自分の支配下に置き、有効に使う。
そのうちまた別の小男が王に対して面倒を起こす。
小男はまさに首を刎ねられようというとき、自分が冶金術にたけ、誰よりも優れた剣を作れることを王に主張する。
王は言う。
「急いで優れた剣を作るがよかろう」
男は、美しくて、非常に強い、切れ味の鋭い剣をこしらえる。それは文句のない出来映えである。
そこで王は言う。
「よかろう。お前の首はそのままだ。お前もまたこの城で暮らすのだ」

次にまた、王を困らせている男が打ち首にされようとして、王に訴える。
「私が王様をごまかすことができたのは、私が王様には分からない算術を理解するからです。もし私がここで算術を受け持ったなら、人々は王様をごまかそうとはしないでしょう」
王は彼をおかかえの数学者とする。

これらの生涯特別な職務を与えられている男たちに対して、王は告げる。
「それぞれ与えられた仕事だけを考えろ。おい、語学屋、お前は語学のことだけ考えろ。それから刀鍛冶、お前も剣を作る心配だけしていろ。数学屋、お前も算術だけやっていればよい。おのおの自分の仕事だけに気を配れ。わし一人だけが、みんながしていることを考える。よくわかったな!」
「はい、王様」
「はい、王様」
「はい、王様」

いまや王は、自分の王国を非常にうまく管理している。
王は卓越した戦士たちと、すぐれた冶金学、より進んだ算術や兵站学、より高度なスパイ術と情報網を手に入れている。
王国はますます拡張する。何年もたって、これらの専門家たちは年老いてくる。
王は言う。
「わしはこの王国を孫に譲りたいと思う。語学屋よ、お前は誰か若い者を探し出して、語学を教えてほしい。刀鍛冶よ、お前も誰か選んで冶金について教えよ。数学屋、お前も誰か選んで算術について教えるのだ」
この王のとった全戦略は、やがてオックスフォード大学創立にあたっての最終的な原型となった。

権力構造にしてみれば、筋力はなく、肉体的戦闘はできない知識階層の知性と狡猾さから災いがもたらされる(もしも知識人たちにあまりにも幅広い知識が与えられ、見張られず、しかも自分たちの考える時間をもっていればだが)のを避けるには、それぞれに工具や仕事場、研究室を与えて専門家にしてしまうことである。
このことがまさに、今日、聡明な人々が次々に専門家になってしまう理由である。
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=392

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