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政府は23日、イラク南部サマワに派遣している陸上自衛隊先遣隊のうち同日帰国した2人から「現地の治安は比較的安定」との報告を受け、陸自の施設部隊と本隊を予定通り派遣することを決めた。直接報告を受けた石破茂防衛庁長官が、二橋正弘官房副長官を通じ小泉純一郎首相にも調査結果を連絡した。首相は26日に公明党の神崎武法代表と会談し、政府・与党として正式に派遣を決定、同日中にも石破長官が施設部隊と本隊に併せて派遣命令を出す見通しだ。サマワに宿営地を設営する施設部隊約80人は今月末にも出発、400人を超える本隊は2月下旬以降、3回に分けて派遣される。
先遣隊の2人は23日、民間機で成田空港に到着し、現地の状況について(1)治安は比較的安定(2)日本の復興支援に対する期待が高い――などと報告した。石破長官はこれを受け陸自本隊の派遣は可能と判断した。実際の調査期間はわずか2日での了承。この点について首相は同日、記者団の「十分な調査ではないという指摘があるが」との質問に「それはもう、専門家ですからね。わかるでしょう」と反論した。
政府は24日に自民、公明両党の幹事長にも調査結果を報告、派遣了承を求める方針。陸自本隊の派遣に慎重だった公明党は26日に拡大中央幹事会を開いて派遣了承を決め、神崎代表から首相に伝える。
陸自は3月以降、サマワで給水や医療、学校補修などの復興支援活動を予定。小泉首相は23日、ラジオ番組の収録で「イラクの人々から評価され、歓迎される支援活動を本格化させていきたい」と本隊派遣を進める考えを強調した。
ただ、失業率の高い現地では雇用創出への期待が高く、自衛隊の実施する活動とのギャップが指摘されている。石破長官は23日の記者会見で「先遣隊は日本の活動も説明している。失望感や落胆が広がったとは聞いていない。日本のスタンス、(復興支援の)スケジュールについて現地の理解が広まりつつある」との認識を示した。
◇調査は実質2日間のスピード決裁
陸上自衛隊のイラク先遣隊のうち、23日に帰国した2人の現地情勢報告を受け、政府は施設部隊や本隊の派遣を正式に決めるが、陸自の活動拠点となるサマワの治安状況を2人が調査できたのは実質2日間だけという、スピード決裁となった。派遣日程先にありき、のセレモニー的な気配が改めて漂い、福田康夫官房長官は23日の記者会見で「(現地からの)いろんな連絡も総合しての判断だ」と苦しい弁明に追われた。
先遣隊の本来の派遣目的は、陸自本隊の派遣に備え現地の関係者や米軍などとの調整にあたることだった。治安悪化を懸念した公明党が本隊派遣前に与党の了承をとるよう求めたため「治安調査」が目的に加わった。
しかし、先遣隊派遣後に本隊派遣を中止する判断は、サマワの治安が極度に悪化しない限り考えにくく、先遣隊の帰国報告は本隊派遣へ向けた事実上の「儀式」。27日から始まる派遣承認の国会審議に間に合わせる思惑もあったようだ。
実質2日の治安調査の効果について聞かれた福田長官は「2日間でも相当、意欲的だったので判断できる」と強調した。しかし「国会や公明党のスケジュールにあわせたのか」との質問は続き「もともとそんなに長い時間調査して、結果を報告するということではなかった。だからといって、最初から2日間で切り上げるという話だったとも聞いていない」との説明に追われた。【平田崇浩】
[毎日新聞1月23日] ( 2004-01-23-19:56 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040124k0000m010060000c.html