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00年に北朝鮮と国交を回復したオーストラリアが、核開発疑惑の高まりのため、約1年前から交流を停止している。動き始めた農業開発の支援プログラムも無期延期に。関係者はジリジリしながら活動再開を待つが、北朝鮮の方針転換を待つ豪州の姿勢は変わらず、両国間の本格的な「雪解け」はまだ遠そうだ。【シドニー山本紀子】
00年に活発な外交活動を展開した北朝鮮はイタリア、英国、豪州などと国交を結んだ。豪政府は農業や核拡散防止の技術指導に乗り出した。豪国際農業研究所は60万豪ドル(約4900万円)の予算を組み、「トウモロコシとコメの効果的な育成」をテーマに、共同調査に乗り出した。
研究所のトニー・フィッシャーさんは00年12月、北朝鮮の農家を視察に訪れた。車窓から眺めた国土は山がちで、耕作地が少ないことを実感したという。
土壌を調べるため地方の農家も訪れた。肥料はなく、農具は20年以上前のもので、壊れても代わりの部品を輸入できないと聞かされた。「どの家も、自家用の鶏と野菜を裏庭でひっそり育てていた。農家は食糧に不自由していないが、極寒の北部には、国連の援助物資も届いていないらしい」
地元研究者と意見交換した時は、研究者同士が口をきかないことに驚いた。「横のつながりが薄いのは共産社会の特徴だが、徹底していた」とフィッシャーさんは振り返る。
3年計画の農業支援策はしかし、02年暮れに座礁した。同年10月のウラン濃縮疑惑で、豪政府が「交流の棚上げ」を決めたからだ。「スイスやドイツは支援を続けているらしい。やっとつながった糸が切れなければいいが」とフィッシャーさんは話す。
国交再開後、両国は活発な人材交流を行い、01年には北朝鮮のスタッフ6人が来豪、翌秋は豪州のスタッフが平壌で5日間の勉強会を開いた。しかし、「交流の棚上げ」決定以降はぷっつり途絶えている。豪外務省核拡散防止局が主催した、核物質の管理法を学ぶ研修も中止になった。平壌に豪大使館をつくる計画も延期されたままだ。
豪政府関係者は「目標は朝鮮半島の非核化。豪州の最大の貿易相手である日本、中国、韓国が北朝鮮周辺にあるため、地域の不安定は我々にも望ましくない。核疑惑を払しょくする具体的な行動をとらない限り、活動は再開できない」と語る。
それでも2国間の対話は細々と続いている。在キャンベラの北朝鮮大使は週1度程度、豪外務省に足を運ぶという。大使は「丁重な言葉遣いと流ちょうな英語」(関係者)で、交流の棚上げに遺憾の意を示し、「敵対政策」をとる米国を非難して帰っていくという。
[毎日新聞1月23日] ( 2004-01-23-18:08 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040124k0000m030021000c.html