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(回答先: 綿井健陽 Web Journal 【1月11日=自衛隊の「広報支援」取材】 投稿者 なるほど 日時 2004 年 1 月 22 日 17:02:11)
http://www1.odn.ne.jp/watai/index.htm
昨日(20日)、月刊「創」主催の座談会があった。
テーマは「イラク戦争報道」だったのだが、当然いまの自衛隊派遣に関わる話が中心だった。その詳細は、2月7日発売予定の「創」3月号(創出版)をぜひ読んでください。
さて、その座談会で僕が指摘したのだが、ここ1週間ほどのサマワの自衛隊ニュースを見ていると、一部のメディアの報道は何かに似ていることに気づいた。
オリンピックの「がんばれニッポン」キャンペーンだ。今年はちょうどアテネ五輪の年だからというわけではないが、どうも流れが似ている。
五輪が近づくと、代表選手発表→結団式→成田空港から出発→現地到着→選手村へ入る→皆で囲んで「一言意気込みを」インタビュー→現地で初練習→「メダルへの期待が高まります」スタジオコメントで終わり。
いまの自衛隊も、先遣隊準備→編成完結式→その後は同じような流れで、宿営地に到着後、記者団に囲まれて隊長が豊富を言って、翌日から早くも活動開始。最後は「地元サマワの期待も高まっています」で終わり。
防衛庁の「報道管制」で、100人近くのサマワの日本の報道陣は、オランダ軍宿営地の前で朝早くから「張り番」をしているのだろうな。先遣隊がいつ、どこへ行くのかわからないからなあ。寒いだろうなあ。まあ、仕事やからしゃーないか。
しかし結局、日本の政治家や刑事さんの自宅前で張り番・朝回り取材する方式とあまり変わらないようにも見える。
各社それぞれ取材チームがいるのだが、ここ数日はどこのテレビのニュースも、自衛隊自体はだいたい同じような映像が並んでいた。これは02年10月に北朝鮮による拉致被害者が帰国した後の映像と似ている。拉致被害者たちの一挙手一投足が伝えられるのだが、被害者への直接個別取材はできなくて、周辺取材ばかり。これはいまも続いているメディアスクラム(集団的過熱取材)防止のために作られた取材体制と似ている(参考資料はこちら)。
もう一つ、今後十分に気をつけなければならない動きが出てきている。
「黄色いハンカチ運動」だ(産経新聞1月17日付け)。
すでに石破防衛庁長官も、札幌の集会でこれを取り上げて「全国に広がってほしい」と呼びかけている。ほかの政治家たちの動きもすでに始まっている(1月21日配信の時事通信記事 朝日新聞サイトから)。
拉致事件の「救う会」のあの「青いリボン」運動を思い起こさせる。今後小泉首相や石破長官の背広の胸ポケット周辺は注意深く観察した方がいいだろう。
自衛隊員の無事を祈るという個人的な心情そのものと、これを政治的な運動の道具として利用するというのは全く別問題だ。
「論座」2月号でも書いたが、イラクで殺害された奥参事官(当時)のときもそうだった。彼らの「無言の遺言」を自衛隊派遣に結び付けるのが「国益・日米同盟・自衛隊」第一主義者たちのやり方だ。
ほんのわずか60年ほど前の「大東亜共栄圏」や沖縄はどうだったんだ?国益というものが本当に一人の人間の命を守るのか?本当に日米同盟が一人の人間の自由や生活や人権を守るのか?本当に軍隊が国民や他国の人の生命を守るのか?一人の人間の命よりも、国家が大事なのか?あなたは死ぬ瞬間に、「日本国万歳!」と言えるのか。
もし本当に「そうなんですよ」と、全身全霊をかけて国家と一体化している人は、僕に教えてほしい。本当に教えてほしい。そして自分の子供にも、近所の小さな子供たちにもちゃんと教えてほしい。
翼賛メディアの「がんばれニッポン自衛隊」キャンペーン報道は、本当に注意深く見なければならない。人間の命が失われてから、そして僕たちが破滅を迎えてから、泣いたり叫んだりでは遅いのだ。
ならば、どんな方法でも、小さな臆病な声でもいいから、いまこの瞬間に、「嫌だ!」という強い意思表示をした方がいいと思う。いや、「意志表示」の方だろうな。