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元防衛族が派遣“待った” 箕輪元郵政相 差し止め提訴へ 「自衛隊は国守るためのもの」
自衛隊のイラク派遣に、自民党の防衛族だった元衆院議員が差し止め訴訟を起こし「待った」をかけようとしている。箕輪登・元郵政相(七九)=北海道小樽市=だ。「イラク派遣は自衛隊法に違反する恐れがある」。主張は、専守防衛から「なし崩し的に」海外派遣へとかじを切った古巣、自民党政権への抗議でもある。(社会部・臼井康兆)
「小泉(純一郎)君は昔の仲間だし、訴訟には内心、じくじたるものがある。しかし、自衛隊法に正面から向き合った論議がない。そんなことがまかり通っていいのか」と提訴を決意した。
一九六七年、旧北海道一区から初当選。九〇年の引退までに八回の当選を重ね、この間、防衛政務次官や党国防部会副部会長も務めた。
「現役時代に自衛隊法をさんざん勉強した。自衛隊の任務はわが国の防衛だ。自衛隊法には外国の復興支援なんて書いてない」。約十年前に脳梗塞(こうそく)で倒れ、つえに頼る生活だが、自衛隊を知り尽くしているとの自負がのぞく。
「自衛隊は国家防衛のためなら命も惜しまない集団ですよ。私自身、現役時代に感激した。しかし、国家防衛でないのに、死ぬのは犬死にだ」
自衛隊法三条は自衛隊の任務を「わが国を防衛すること」と定める。政府は湾岸戦争やアフガニスタン攻撃などのたび、新法を成立させ派遣への道を開いてきた。
「本来なら自衛隊法を改正しなければならなかった。なし崩し的に派遣に踏み切った」と怒りを込める。
特に懸念するのはイラクでの武器使用。自衛隊法では隊員や設備を守るための武器使用を認めるが、「武器使用の条文は警察にならって拳銃など小火器の使用を想定しており、対戦車用の無反動砲は明らかに範囲外。もし使えば正当防衛の枠を超え、海外での武力行使になる。憲法違反、自衛隊法違反だ」。
現役を退いた今も、自宅の居間に日の丸を掲げ、自らを「タカ派」と称する。「自衛隊の武器は本来、隊員が自分たちを守るためにあるんじゃない。国を守るためにあるんだ」と声を振り絞った。
訴訟準備を進める佐藤博文弁護士によると、自衛隊の派遣によって平和的生存権や生命・身体を侵害されるとして、今月中にも札幌地裁に提訴する。日本が戦争当事国になり、テロ組織から攻撃を受ける危険が増す、との主張だ。
こうした訴訟で差し止めが認められるのは極めて少ないが、同弁護士は「イラク派兵の実態を、法廷を通じて国民に分かってもらう狙いもある。イラクで仮に何かあった場合に自衛隊を引き返させる、そういう世論の旗振り役を担いたい」と話す。
イラク派遣差し止めをめぐっては、愛知県の非政府組織(NGO)関係者らも名古屋地裁への提訴を決めた。自衛隊による米軍アフガン攻撃支援の根拠となったテロ特措法については、市民団体が無効確認を求める訴訟をさいたま地裁に起こしたが、一審で敗訴し、東京高裁で係争中。