現在地 HOME > 掲示板 > 戦争46 > 1038.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
日本、「メソポタミア湿原」復元協力 イラク支援の一環
政府はイラクの復興支援策の一環として、イラク南部に広がるメソポタミア湿原の復元に協力することを決めた。同湿原は70年代には四国より一回り広い面積があったが、旧フセイン政権時代の干拓などで乾燥が進み、4%ほどまで縮小している。政府は「環境分野での貢献は、自衛隊派遣だけではない日本の復興支援を国際社会にアピールできる」(外務省幹部)として、現地の治安の回復を待ち、国際機関と協力して事業を進める意向だ。
メソポタミア湿原は、四大文明で有名なチグリス・ユーフラテス川の下流域で、70年代には約2万平方キロの広さだった。だがその後、乾燥化が進んだうえ、湾岸戦争後に反フセイン暴動を起こしたシーア派部族の根拠地ともなったため、政権側は環境を変えて強制移住させようと川をせきとめた。
その結果、湿原は破壊され、湿地部分は02年には759平方キロにまで縮小。塩害や生態系への悪影響が出ている。国連環境計画(UNEP)によると、このままだと5年以内に消滅する可能性もあるという。
また、環境が変化したため、農業で生計を立てていた住民らが次々と移住し、30万人いた人口が一時、10万人まで減少したとも言われている。UNEPや国連食糧農業機関(FAO)が詳細な調査や復元事業を検討していたが、治安の悪化で中断したままだ。
昨年12月に来日したイラク南部の主要部族長の子息で、民主化運動の指導者アブドルアミール・アル・リカービ氏が小泉首相と会談した際、「イラク南部の民衆が最も望む復興支援策だ」としてメソポタミア湿原の再生を要請し、政府の支援策の一つに急浮上した。
政府は資金援助だけでなく、専門家による調査のうえ、植林、塩害除去、かんがいや水路作りのプロジェクトなどの対策を検討しているが、詳細な調査には現地の治安の回復が必要となる。干拓された土地に入植した住民も多く、環境再生とどう調和を図っていくかも課題となる。
(01/21 13:50)