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Re: テスト
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投稿者 きゃべつ 日時 2004 年 7 月 07 日 21:17:21:Hgljwyg9GJUJo
 

(回答先: Re: テスト 投稿者 きゃべつ 日時 2004 年 7 月 07 日 21:10:28)

 あっしらさん

 迅速な回答を下さり、大変感謝しております。
 
>日本の農業生産を縮小させた要因は、確かに、産業の輸出増加で食糧も輸入
>できる条件を達成したことが基礎ですが、それ以上に重要な動機は、産業の
>輸出をさらに増加できる条件をつくることです。

>米国が日本の産業が生産する財の主要輸出先であるなら、米国経済に悪影響をあまり与えないかたちで輸出を増やすためには、米国から財を輸入しなければらないからです。
国際基軸通貨国である米国とは比較にならないほど厳しい国際交易条件に置かれている国に、産業が生産した財を輸出するためには、その国が決済手段(外貨)を手に入れられるよう、その国が生産する財を輸入してあげる必要があります。
戦後日本は、1970年代以降、産業の輸出増加のために、農業を生け贄として捧げ続けたとも言えます。


 国外に向けて輸出する事を生業とした企業の誕生と増加がこのような事態を招く事になると考えますが、国策として加工貿易を推進してきた結果、明治から昭和初期にかけての国内での自給自足的な産業と、戦後の国際分業体制との間には大きな隔たりがあり、後者では経済規模は大きくなったけども、過去の貿易のように国内で必要とされているものを輸入する目的の貿易ではなく、国外で必要とされているものを国内で作る貿易という方向にシフトしなければならず(国内産業の商業化)、その結果として「輸出産業国家」というべき国家になり、国策としても輸出を増加させる方向に動いてきたと考えていいのでしょうか。
 現在の状況を考えると、必要だから食料を輸入しているという赴きは感じられなくとも、機械類を輸出し続ける深刻な必要性を感じるために国策として輸出を継続させる手段を取っていると感じられます。
 しかし、このような、失業者を増加させないための、安定成長状態を無理に再現させようという政策を続けていれば、結局その為(輸出増加のための市場介入)にあらゆる場面で税金を使う事になるため、たまたま国が豊かな時ならいいかもしれないが、一度悪くなったらもたないだろうと考えます。


 >ホームレスが増えれば残飯が有効利用されるようになるという冗談はさておき、食糧が人に摂取されることなく廃棄される量は、近代経済的豊かさに比例して増加します。
貨幣経済を基礎とする「近代」においては、お金を貰って売ったあとなら、廃棄だろうか摂取だろうがどうでもいいことになります。(生産者だけではなく、レストランもそうです)
おかしな言い方をすれば、食に困らない状況で廃棄する量が増えるのなら、経済成長に貢献する“いいこと”になる経済論理です。
(日本は食べ残したものをドギーバッグで持ち帰るという習慣もあまりないので、廃棄される食糧はより多くなり、その分“消費拡大”に貢献しているとも言えます(笑))

 残飯という率直極まりない呼び名も改めて「公的食糧」とすれば一般にも受け入れやすくなりますね(冗談です、すいません)。
 食品に鮮度がある以上、ある程度の廃棄は仕方がないのかもしれませんが、1970年以降のある時点から、経済成長を是とする政策の為に、食糧輸入を「(他の物品の)輸出増加のための市場介入の手段」として行ってきたことが、近代経済システムから次のシステムに移行し貿易黒字が意味をなさなくなった際にどうなるのかということに自分は危機感を持っています。改善する気配のない赤字財政とともに、ある時点からこの食糧量も麻薬的なものになっていると思います。
 食糧を粗末にするな、お百姓さんに感謝しろというのは、精確に表現するのなら「近代貨幣経済システムを生存の基礎的システムと見做すのではなく、食糧生産を生存の基礎的システムと考えよ」という事かもしれませんね。


>現在のままの国策で進んでいけば、日本はまもなく貿易収支が赤字に転落すると予測しています。
それどころか、現在でも、貿易収支はほんとうに黒字なのか?という疑義を呈することもできます。
米国の財務省証券を35兆円も購入することで、10兆円の貿易収支の黒字が計上されているからです。
対中輸出も中国の対米輸出に依存しているわけですから、米国の購買力が36兆円減少したときの米国の輸入力を考えれば、貿易収支10兆円は“嵩上げ”や“インチキ”ではないかと指弾できます。

 結局、現在の電位差は政府が返せる予定のない金額を輸出増加のための市場介入の手段として使用し、政府の金庫をゴミ箱代わりにして赤字を溜め込むことによって達成されていると考えると、確かに黒字自体がまやかしであるとも言えますね。政府は経済が回転する事と、一般国民にパニックを起こさせないことを至上命題に置いているために、市場介入が制限なく善とされているため、このようなことが起こるのでしょうか。
 本当は経済がここまで来るまでに、政治が経済を抑制するべきだと考えますが、際限なく経済成長を追及してしまったためにこのような事になってしまったと考えます。(実は本当は「政治は経済を抑制するべきじゃないのか」というのは桜井章一さんが仰っていた事なのでまた受け売りです(笑))


>また、為替レート変動は基本的に「生産性上昇率の差異」変動が規定要因ですから、生産性の上昇がスムーズにできない(現状では失業者の増加とトレードオフなので)日本の現状は、中長期的には「円安」傾向を招く可能性もあります。
(輸出優良企業はなんとかやっているのでこの可能性は低く、国民生活の窮乏から生じる政治的変化が引き起こすインフレ政策(赤字財政支出の急増)が「円安」につながる可能性のほうが高い)


 巷で言われているような預金封鎖やハイパーインフレのような事態が起こると、「急性的な食糧欠乏状態」になると思います。自分は食糧欠乏の状態に関して、おおまかに急性的なものと慢性的なもので分けて考えているので、仮設Eの所で今後世界で慢性的に欠乏する、と書いた訳ですが、勿論急性症状が遷延して慢性化することも十二分に有り得ると考えます。どちらも酷い状態である事には変わりがないでしょうが、急性症状に対しては備蓄等でも対応は可能(最悪の場合は形而上はカップラーメン1000億個で日本人が1年間生活できる)と考えますが、慢性的な食糧不足に対しては自分達で作る量を増やさなければ対応できないと考えます。そして、それらの食糧事情を考える上で、世界経済の予測は欠かせないものであり、あっしらさんの仰る様に中国への日本からの輸出の低下、及び中国の生活水準の上昇というのは慢性症状の主要なトリガーの一つとなると考えています。


>国民経済としての日本が経済成長を維持するためには、経済成長を続ける可能性が高い中国向けの財を国内でどうやって生産するのかや、中国の旅行客にどうやって日本でお金を使ったもらうかを真剣に考えなければならないと思っています。(海外からの旅行客が日本でお金を使うのは経済論理的には輸出と同じです)

 外資系がシーガイアを買ったりしてるのはやはり、いまは不良債権でも、10年後とかには中国向けリゾートとして十分機能すると考えているのでしょうか。北海道も中国人には人気なので、意外とリゾート地及び食糧生産地として復活するかもしれませんね。地理的に上海から成田(東京)まで3時間で行けてしまうという事は大きいと思います。
 20年以上先の完全に生産の調整された世界を考える前に、近いうちに日中関係の逆転が到来するという予測は必要だと考えます。その点だけでも食糧を増産するべきだと考えます。


 >世界的に慢性的な食糧不足が起きる可能性も否定できませんが、食糧余剰という現実でも飢餓に苦しんでいる人々が数億人もいることはしっかり考えなければならないと思っています。


 全く仰るとおりで、すでに世界全体では食糧が欠乏していますね。

>世界的な食糧不足は、自然条件だけではなく、近代経済的条件でも起きます。
なぜなら、欧米諸国や日本が歴史的に経験してきたように、産業の拡大とそれを通じた農業人口比率の低下が一人当たり国民所得の上昇を実現するものだとすれば、中国やインドといった農業国の農業生産が減少する可能性があるからです。(可耕作地が工場やショッピングセンターなどになり農地として使われなくなる可能性)

 >冷静に考えれば、自然条件に恵まれた日本の食糧自給率が40%であることは、自然条件だけで“食糧不足”が起きるわけではない確かな証になっています。
自然条件として食糧が不足している国ならいざしらず、自然条件として食糧を充足することができる国は、それをめざすのが“責務”だと思っています。
(冗談ですが、産業が生産した財を輸出するために農産物を輸入する政策を選ぶくらいなら、日本政府が米国政府に対して行っているように、“金融支援”でそれを実現したほうがいいくらいです)

 仰るとおり、今ならまだ赤字財政の拠出により、ない袖を振って農業振興が可能と思います。それに2〜30年後は食糧は現在よりも数段高い位置づけを与えられるようになるとも漠然と思います。『自然条件として食糧を充足することができる国は、それをめざすのが“責務”である』というのは是非とも世界に(というよりもまず日本に)広めたいですね。


 >食糧自給率を上げようとしないのは、米国からの圧力と産業の輸出振興を考慮したものだと考えています。

 自分は、自給率があろうがなかろうが金が余れば食糧を輸入するという事実、中国が1大供給地帯となるであろう事実、世界的に食糧生産が幾分か困難になるであろう事実、この3点がもはや明らかな今、米国の意向が食糧自給率を下げる事であったとしても、いい加減これ以上米国の言いなりになっていると自分自身の足元が危なくなるという認識を持って、水面下でいいから食糧生産を充実させる政策をとり、なし崩し的に自給率を100%超に持っていくべきだと考えます。

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