投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 7 月 01 日 17:14:09:SoCnfA7pPD5s2
(回答先: Re: テストしましょう!テストしましまテスト 投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 6 月 16 日 01:49:13)
[引用:カヌー(canoe) は日本語??]
東京商船大学名誉教授の茂在寅男(もざいとらお)博士の説によると、「古事記」や「日本書紀」といった日本最古の文献の中に古代ポリネシア語の発音と類似している言葉が数多く記載されている。
たとえば「古事記」の仁徳天皇の章で、「枯野」という速く走る舟が記述されています。一般には「枯れ野を駆けめぐるほど速い舟」といった意味にとられていますが、茂在博士は「枯野」という漢字は言葉の発音に合わせた当て字と解釈するのが妥当であり、本来、「カラノ」とか「カノー」といった発音の言葉があったのではないかと推測しています。発音から船に関する言葉を探していくと、「カヌー」に出合います。「カヌー」という言葉は、カリブ海の住民から西洋人に伝わったとされており、その語源をたどると北太平洋環流に関係してくるそうです。「カヌー」とは、太平洋からカリブ海にかけての広い地域で使われた船の名称かも知れません。 「枯野」は、「日本書紀」で「軽野」に変わり、3世紀頃、伊豆の国で造船にあたったという記述が出てきます。現在、伊豆の山間部に「軽野神社【注1】」があり、付近を流れる「狩野川(かのがわ)」が駿河湾に注いでいます。カヌーを作る木を山で切り出し、狩野川を使って海辺へ運んだと考えても不思議ではありません。「軽野」や「狩野」という地名は各地で見ることができ、たとえば7世紀から8世紀にかけて書かれた「常陸国風土記(ひたちのくにふどき)」には、長さ15丈(45m)もの大船を作った「軽野の里」のことが記述されています。
ニッポン大航海記 はれ情報 No.198 APRIL 2001
『古代日本の航海術』茂在寅男 1992年
【注1】軽野神社:天城湯ヶ島町で最古の神社で、松ヶ瀬神田鍵取免にあり、応神5(275)年創建の、延喜式神名帳に記載されている式内社。祭神は「八重事代主命」狩野明神。
「日本書紀」応神天皇5年10月条に、伊豆国に命じて長さ10丈(30m)余の船を造らせ、海に浮かべたところ軽く浮かび速く走ったので枯野(からぬ)と名づけたとある。
この船材は天城山(狩野山)から切り出し、松ヶ瀬(天城湯ヶ島町)で建造したと伝えられ、式内社軽野神社が存在する。枯野・軽野は狩野が転訛したと説かれている。
天城山には古くから欅や楠などの船材用の大木が豊富だったことが知られ、伐採して船を建造し、狩野川下りで海に出したものと思われ、付近には楠田・船原などの地名も残る。
埴輪の船【船のお話:日本編A】
[引用:埴輪の船]
丸木舟(刳り舟)しかなかった縄文時代や弥生時代でも、倭人は果敢に航海をしました。伊豆諸島の神津島や島根県隠岐島など、数十キロも沖に浮かぶ島の黒曜石【注2】が、本土で点々と出土します。北部九州の土器や佐賀県腰岳の黒曜石が朝鮮半島で出土しますし、沖縄本島でも九州の縄文土器や弥生土器が出土します。北部九州の弥生人達は、周辺でしか採れないゴホウラ貝やイモ貝で作った腕輪をとても珍重しました。きっと、美しい沖縄の貝をもって、はるばる沖縄と九州を往来する海の商人達がいたんでしょうね。 [古代のアングル(18回) 読売新聞社夕刊連載 1997.08.01]
【注2】黒曜石:火山で出来る天然ガラス。非常に鋭利な刃物なので、縄文人にとっては貴重な物でした。
現在の技術ではその産地を特定することができます。
北海道産の黒曜石がアムール川の上流から発掘された例もあります。
刳り舟【船のお話:日本編B】
[引用:刳り舟]
福井県に縄文時代のタイムカプセルと呼ばれている、鳥浜貝塚があります。若狭湾の三方五湖に注ぐハス川と高瀬川の合流点近くで、この遺跡は縄文時代の草創期、約1万2千年前から5千5百年前まで栄えたもので、低湿地の地下3m〜7mの深い地層に遺物が含まれています。ここからは土器や石器以外に、古代の大きな丸木舟(刳り舟)や瓢箪(栽培種)の種、ベンガラ漆で塗られた赤い櫛が出土しています。 丸木舟(刳り舟)は上の写真のようなものだったのでしょう。これは千葉県、加茂遺跡出土のもので約5千年前のものと言われている、全長7m、幅50cmです。
参照:縄文時代の丸木舟:浦入遺跡【邪馬台国大研究】1万年に渡って築いた高度な「海の文化」
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