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(回答先: Re: 新しく、テスト!テスト!新しくテスト! 投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 6 月 17 日 21:28:24)
「中央構造線」は、茨城県から熊本県へ、日本列島を縦断する大断層です。
地球のはるか上空から写した人工衛星画像には、
長野県茅野市から静岡県の水窪町へつづき、
豊橋市〜紀伊半島〜北四国〜九州を縦断する、
まっすぐな谷が写っています。
延長1000kmにおよぶ、日本列島最長の谷です。
この谷は、大断層「中央構造線」の破砕帯を、
川が侵食してできたものです。
■ 九州の中央構造線
九州中央部では、
九州中央部では、
中央構造線は、
阿蘇山の下にかくれています。
大分県臼杵(うすき)から
熊本県八代(やつしろ)をとおり、
甑島(こしきじま)と
薩摩半島の間をとおると
考えられています。
「大分・熊本構造線」が
中央構造線の延長という
考え方もあります。
■ 四国・紀伊半島の中央構造線
四国では、中央構造線は、佐多岬半島の北岸の沖合いから
松山市の南の砥部(とべ)〜新居浜(にいはま)をとおり、
阿波池田(あわいけだ)から吉野川ぞいに徳島市へつづきます。
紀伊半島では、和歌山から紀ノ川〜高見峠〜櫛田川ぞいに伊勢へ出ます。
中央構造線は、伊勢神宮のほぼ真下をとおっています。
■ 伊勢湾・赤石山脈の中央構造線
渥美半島では、中央構造線は、
伊良湖岬と立馬崎の間をとおっています。
豊橋から豊川ぞいに、北東へつづき、
静岡県佐久間(さくま)〜水窪(みさくぼ)
〜長野県境の青崩峠へつづきます。
そこから、遠山〜大鹿〜長谷(はせ)と、
伊那山地と赤石山脈の間を北上し、
杖突(つえつき)峠から茅野(ちの)へ出ます。
和田と水窪から、南へ、
「赤石構造線」が分岐しています。
天竜川は、静岡県龍山村から南では、
「赤石構造線」ぞいに流れています。
中央構造線と
「糸魚川(いといがわ)・静岡構造線」は、
諏訪湖で交わっています。
諏訪湖から先は、
中央構造線は東に向きを変え、
関東平野の下へつづきます。
■ 関東の中央構造線
「糸魚川・静岡構造線」の東側の
「フォッサ・マグナ」地域では、
中央構造線は、
新しい地層の下にかくれています。
ただし群馬県下仁田付近では、
少し顔を出しています。
関東平野の地下では、
3000m下までボーリングしたところ
埼玉県岩槻と春日部の間を
とおっていることが分かりました。
茨城県では、鹿島か大洗の
どちらかの地下へ延びていると
考えられています。
■ 中央構造線と内帯・外帯
中央構造線の日本海側を 西南日本内帯(ないたい)
太平洋側を 西南日本外帯(がいたい)といいます。
内帯と外帯が、中央構造線を境に、大きくずれ動きました。
■ 「糸魚川・静岡構造線」と中央構造線
「糸魚川・静岡構造線」と中央構造線はよく混同されますが、
まったく別の断層です。
「糸魚川・静岡構造線」と中央構造線は諏訪湖で交わっています。
諏訪湖の北東側では、
岡谷の横河川が
中央構造線の延長と
考えられています。
中央構造線は
茅野から岡谷まで12km
くいちがっています。
諏訪湖付近では、
現在の活断層としては
「糸魚川・静岡構造線」の方が
より活動的で、
中央構造線を切って
ずらしているからです。
■ 「糸魚川・静岡構造線」活断層系が作っている諏訪湖
活断層としての「糸魚川・静岡構造線」が
左横ずれしていき、
ややSカーブした部分の
中央部が引っ張られて落ち込み
諏訪盆地がつくられています。
諏訪盆地の基盤岩は
数100m以上も落ち込んでいます。
けれども、
まわりの川から流れ込んだ
泥で埋められ、
現在の諏訪湖の水深は
7mしかありません。
このような盆地を
横ずれ断層盆地
(プルアパートベイズン)
といいます。
■ 「フォッサマグナ」と「糸魚川・静岡構造線」
「フォッサマグナ」と「糸魚川・静岡構造線」はよく混同されますが、まったく別の概念です。
「フォッサマグナ」は、「糸魚川・静岡構造線」の東側の地域です。
「フォッサマグナ」とは、ラテン語で大きな溝という意味です。
「フォッサマグナ」地域は、1500万年前ごろ大きく沈降して海になり、泥・砂・火山灰で埋めたてられました。
地層は、沈降した深さだけ、たまりますが、長野市付近では、その厚さは5000mもあります。
1500万年前、日本海が開き、それまでアジア大陸の東縁にあった日本列島の“もと”が
大陸から離れました。
東北日本は反時計まわり、西南日本は時計まわりに回転し、折れ曲がった部分が引っ張られて落ち込み、「フォッサマグナ」になりました。
その西縁の断層が「糸魚川・静岡構造線」です。
[Last update 2000/04/25]