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投稿者 へなへな 日時 2004 年 4 月 20 日 06:11:01:NgVjkwvn0pj2k
 

Complexity -- I


『複雑系』を読む・I







 例えば、ニューラルネットワークの研究に於いては、従来のように決められた構造を設定し、その中で素子間のつながりを進化させるのではなくて、ネットワークの構造そのものを進化させてみる、という試みも始まっています。またデガリス氏がC.G.(Computer Graphics)上で表現した極めて複雑なネットワーク
も、実はそれ自身に進化させるプログラムを組んでやっています。と言うのも、従来の様に人間が進化のプログラムを組むという方法では限界があるんです。またA.I.の研究は大雑把に、創発計算論、進化計算論、適応行動、発生発達モデルなどがあるが、これらはみな前述した内容の方向性を持って取り組んでいるもので、具体的な特徴としては


の以上4つが挙げられますが、これは同時に複雑系の特徴そのものなんですね。 また、今まで手に負えなかった複雑な問題を解決するのに、進化する人工頭脳をつくって対処するというやり方は、例の「つくる事こそ、真理を知る事である」というジャン.バチスタ.ビーコが示した言葉を彷彿とさせるし、生命の神秘というのは、生命を創る事によってしかおそらく解らないであろう、というコンセプトがこれからのA.L.やA.I.の研究において主流になっていくでしょう。複雑系に対しても、この方向でアプローチしていかなければならないし、また複雑系の研究を通して、以上のような事が実現しつつあるんです。


 最後に遺伝子の事について言っておくと、95年1月に出版された本に引用されているが、ジャックとモノーが言った、「遺伝子というのはその中に組み込まれているスイッチング機構によって発現している」という言葉は、既に時代遅れです。遺伝子を発現させる仕組みは転写制御の研究によりわかってきていますが、ここ4、5年で状況は大きく変化しています。転写制御因子のレパートリーも昔は十数個でしたが、現在では軽く千を超えている、これは情報量にして教科書千ページにも昇るんです。このように、最近書かれた本に解説されているレヴェルでさえ、既に現状とはかなりの差ができている事を頭に入れておいて欲しいと思います。




文責:木村 俊介・藤井 由紀子・田中 英資・長田 さやか・安田 亨


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 例えば、ニューラルネットワークの研究に於いては、従来のように決められた構造を設定し、その中で素子間のつながりを進化させるのではなくて、ネットワークの構造そのものを進化させてみる、という試みも始まっています。またデガリス氏がC.G.(Computer Graphics)上で表現した極めて複雑なネットワーク
も、実はそれ自身に進化させるプログラムを組んでやっています。と言うのも、従来の様に人間が進化のプログラムを組むという方法では限界があるんです。またA.I.の研究は大雑把に、創発計算論、進化計算論、適応行動、発生発達モデルなどがあるが、これらはみな前述した内容の方向性を持って取り組んでいるもので、具体的な特徴としては


  • 問題をボトムアップ的に解決する
  • 個々の要素は特殊的な環境下で反応するという定義を持っている
  • 自分以外の全ての要素に指示を出す要素や全体の構造や行動を
    制御するルールはない
  • 全体の振る舞いは明示的でなく創発する

の以上4つが挙げられますが、これは同時に複雑系の特徴そのものなんですね。 また、今まで手に負えなかった複雑な問題を解決するのに、進化する人工頭脳をつくって対処するというやり方は、例の「つくる事こそ、真理を知る事である」というジャン.バチスタ.ビーコが示した言葉を彷彿とさせるし、生命の神秘というのは、生命を創る事によってしかおそらく解らないであろう、というコンセプトがこれからのA.L.やA.I.の研究において主流になっていくでしょう。複雑系に対しても、この方向でアプローチしていかなければならないし、また複雑系の研究を通して、以上のような事が実現しつつあるんです。


 最後に遺伝子の事について言っておくと、95年1月に出版された本に引用されているが、ジャックとモノーが言った、「遺伝子というのはその中に組み込まれているスイッチング機構によって発現している」という言葉は、既に時代遅れです。遺伝子を発現させる仕組みは転写制御の研究によりわかってきていますが、ここ4、5年で状況は大きく変化しています。転写制御因子のレパートリーも昔は十数個でしたが、現在では軽く千を超えている、これは情報量にして教科書千ページにも昇るんです。このように、最近書かれた本に解説されているレヴェルでさえ、既に現状とはかなりの差ができている事を頭に入れておいて欲しいと思います。




文責:木村 俊介・藤井 由紀子・田中 英資・長田 さやか・安田 亨


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