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Re: test
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投稿者 どさんこ 日時 2004 年 3 月 26 日 12:37:13:yhLXMcSQdrkJ2
 

(回答先: Re: test 投稿者 どさんこ 日時 2004 年 3 月 26 日 11:28:51)

リチャード・クラークと真実の瞬間:超タカ派官僚の見せた人間性がアメリカを変える
2004年3月24日、水曜日。この日の午後、米国史上歴史に残る衝撃が世界を覆った。

アメリカ国防総省と情報部に30年間も在籍し、「テロ対策の権威」「超タカ派官僚」として、国民からも政府内部からも嫌われていたという前大統領特別顧問リチャード・クラーク氏が、911同時多発テロ調査委員会の公聴会のはじめに、以下のような声明をしたのである。(Cspanで録画を観ることができる)

「今回の公聴会に召喚されたことをありがたく思います。なぜなら、911テロの被害者と遺族の方にようやく謝罪する機会ができたからです。・・・公聴会に参加されているご遺族の皆さん、今テレビで公聴会をご覧の皆さんに伝えたい・・・わが国の政府はあなた方を裏切ったのです。国民を守る立場にありながら、皆さんを裏切っていました。そして私自身も、皆さんを裏切った人間です。努力はしたが、意味のないことだ。失敗したのだから・・・その失敗について、全ての事実が明らかになった暁には、皆さんに理解と許しを請いたいのです。
(...I also welcomed this hearing, because it is finally a forum where I can apologize to the loved ones of the victims of 9/11. To [those] who are here in the room, to those who are watching on television, Your government failed you. Those entrusted with protecting you failed you. And I failed you. We tried hard, but that doesn't matter, because we failed. And for that failure, I would ask, once all the facts are out, for your understanding and for your forgiveness.)」

世界のマスメディアも息を呑んだに違いない。政府閣僚としてテロ対策に従事していた中心人物が、政府と自分の失敗を認め、謝罪するという、(アメリカ人官僚のもっとも苦手な)謙虚な行動に出ると誰が想像しただろう。(江角マキコさんも驚きですかな?)

そして、「政府批判するなんて愛国的でない」「事件の調査はもう充分」とアメリカ国内で逆風にさらされてきた911テロの遺族は、クラーク氏の勇気ある謝罪の言葉に、どんなに救われたことだろうか。
ニューヨークデイリーニュースの記事(Commondreams転載)から、公聴会に参加した遺族の言葉を引用しておこう。

「(遺族に)謝罪した人はクラークがはじめてです。泣きたい気持ちになりました」夫を911テロで亡くした女性、ミンディ・クレインバーグは言った。
メアリー・フェチェットは息子のブラッドレーをテロで亡くしている。彼女はクラーク氏が非難を受け入れたことを賞賛、「勇気をもって真実を語ってくれた」と讃えた。

もちろん、全てはクラーク氏の計算どおり、と批判されるのも無理はない。クラーク氏はペンシルバニア大学とMITを卒業し、ペンタゴンで核兵器問題とヨーロッパの安全情報に関わり、CIA、NSA他にコネを持つという筋金入りのエリート情報部員である。しかも公聴会前には自著「Against All Enemies : Inside the White House's War on Terror--What Really Happened」を発売、「ブッシュ政権批判は注目を浴びるための演出」とわかりやすい批判が起こることも予測済みであろう。

だが、考えてみて欲しい。防衛・軍事関連にコネのある元閣僚なら、ロビー活動ビジネスだけでも莫大な資産を築くことができるし、ブッシュ政権と共和党のご機嫌をとれば今後も様々なポストが約束されたのだ。たかが一冊のベストセラーを作るために、ネオコン連中を敵に回すのはエリート官僚のすることではない。だいいち、ホワイトハウスに誤りを認めさせることがどんなに自分の身を危険にさらすことになるか、クラーク氏自身もよくわかっているはずだ。

ポール・クルーグマンがニューヨークタイムズで書いているように、「彼は国民に真実を知ってほしかっただけ」のために暴露本を書き、謝罪したのではないか。リチャード・クラーク氏は確かにどうしようもない戦争マニアで、危険な情報部員だった。しかし今回は、その良心を信じ、その勇気ある発言と謝罪を賞賛したいのである。

さて、アメリカ国内政治の流れは変わり、ブッシュ政権は任期終了前に最大のピンチを迎えることになった。クラーク氏の後に公聴会に登場した「日和見軍人」アーミテージ米国務副長官は、どちらかといえばクラーク氏の証言に沿った発言をしている。そのアーミテージの証言によりウソを暴かれつつあるのは、公聴会での証人喚問を拒否しつづけているコンドリーザ・ライス大統領補佐官である。(911テロ情報を事前に察知していたとされる彼女は、今のブッシュ政権にとって、邪魔な存在になりつつある)

もちろん、今回の「リチャード・クラーク:真実の瞬間」の意味は、アメリカ人だけでなく世界の人々にとっても、とてつもなく大きく、重い。なぜなら、「謝罪」と「反省」「真実」こそ、アメリカ政府に(あるいは自国の政府に)求められていることだからである。

分断されていた世界は、今日を境に、再び「グラウンド・ゼロ」へ立ち戻ることになった。
2001年9月11日、同時多発テロはどのようにして起こったか。真犯人は誰なのか?アメリカ政府は何をしていた?

そして日本政府はなぜ、テロ対策と関係のない米国のイラク侵攻を支持したのか?
残念ながら、観光旅行を「留学」と嘯く小泉首相に、これら疑問へのマトモな回答は期待できない。日本にとっても、真実の瞬間は迫っているというのに。

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