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(回答先: 川口外相訪中:李外相らと会談 尖閣問題は平行線 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 4 月 04 日 05:01:17)
日中双方のナショナリズムを刺激した尖閣諸島上陸事件の余韻が残る中、川口順子外相は3日、北京で温家宝首相、李肇星外相と相次いで会談した。「尖閣」「靖国」「台湾」などデリケートな課題については、双方が原則論を言い合ったものの、経済の相互依存や民間レベルの交流が強まっているのを踏まえて、外相らは関係悪化をともに防ぐことを確認し合った。ただし、01年10月以来途絶えている日中首脳の相互訪問を再開する糸口は見いだせないまま。政治を「棚上げ」しての協調が演出された。
◇「首脳訪問」糸口なく
日中外相会談は予定を50分オーバーして1時間50分に及んだ。日本外務省は「互いに公表を差し控えようということになった」として、詳細な内容を記者団に明らかにしなかった。日中間で対立する課題をめぐる外相同士のやり取りを公表した場合、「嫌中」「反日」感情をそれぞれあおる結果になることを避けたとみられる。
01年10月の小泉純一郎首相訪中以降、首脳の相互訪問が途絶えている日中関係を打開しようと「つなぎ」で計画された外相の訪中だったが、直前の3月24日に尖閣諸島への中国人上陸事件が発生したことで、日中双方が原則論を言い合うことが前提になった。
3月24日から25日にかけて竹内行夫外務事務次官と会談した武大偉駐日中国大使は「尖閣諸島は中国固有の領土」と強硬に領有権を主張するとともに「当面いろいろなことを考えざるを得ませんよ」と外相訪中の延期までほのめかした。川口外相自身、「この時期に本当に行くのがいいのかしら」と、薮中三十二アジア大洋州局長や堀之内秀久中国課長らの前で自問自答したこともあった。
今回の外相訪中で日本側が重視したのは、3月23日から25日にかけて平壌を訪れ、金正日(キムジョンイル)総書記と会談した李外相から、北朝鮮の現状を聞き出すことだった。
こうした日本側の思惑は中国側は熟知していたとみられる。外相会談で李外相は「6カ国協議での日本の役割を高く評価している」と持ち上げるとともに、夕食会の席上で北朝鮮訪問の内容を詳しく紹介した。これに対し、川口外相も「李外相や王毅外務次官の協力に感謝する」と応じた。
結果的に、中国側は温首相と李外相とで硬軟取り交ぜた役割分担もうかがわせた。温首相が小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題と尖閣諸島問題で「こわもてぶり」を見せつけたのに対し、李外相は「『「女子十二楽坊』は日本でも人気があるそうだ」と述べるなど、ソフトな話題を持ち出していたためだ。
靖国問題が解決しない限り、首脳の相互訪問には応じられないとの方針を堅持しながらも、日中関係が現状以上に悪化するのは望まないというメッセージとみられる。ただ、李外相も台湾問題については「台湾の独立勢力に誤ったメッセージを送らないようにしてほしい」と念を押し、妥協の余地のない最重要のテーマであることを印象づけた。【北京・中澤雄大】
◇中国、民間交流に期待
中国の温首相、李外相とも、川口外相との会談で「釣魚島(尖閣諸島)は中国の領土である」と指摘しながらも、一方で日中間の「幅広い分野での」関係強化も促し、人の往来、民間レベルの関係強化が望ましいという点で意見を一致させた。政治レベルで進展を得るのが難しいので、民間や人の往来を積み重ねながら、関係打開を模索する腹づもりとみられる。尖閣諸島問題などが起きたにもかかわらず、中国なりに対日関係改善に向けた意欲をにじませたといえるだろう。
中国外務省は会談後、内外の記者を集めて会見を開いた。外相訪問レベルでの会見は極めて異例だ。同省幹部の一人は「日中関係を重視しているからだ」と説明した。
ただ、同時に温首相と李外相は、そろって小泉首相の靖国神社参拝問題を取り上げることを忘れなかった。尖閣問題とあわせて、中国指導部としても、日本に「言うべきことを言った」ことを国内外に示す必要があったのだろう。
小泉首相の靖国神社参拝や、尖閣諸島を巡る事件などが起きる度に、中国国内で強硬派が反発を強めているといわれている。こうした国内の雰囲気を受けて、現指導部は、日中双方の指導者の往来を当面棚上げすることもやむをえないと判断しているようだ。
ただし、中国メディアは、尖閣諸島に上陸した活動家が中国に送還された後は、彼らの行動を一切伝えていない。活動家が英雄視されないよう、中国政府が配慮を示した結果とみられている。活動家が、当初予定していた第2陣の船の出港を延期したのも、中国政府の意向が働いたためと言われている。
中国経済は過熱状態が続いており、対米貿易摩擦問題も深刻化している。中国が米国との厳しい交渉を前に、最大の貿易相手国である日本との関係を調整しておきたいと考えても不思議はない。
李外相は、日本の政府開発援助(ODA)を積極的に評価し、日本からの資金の重要性を確認した。中国政府は昨秋以来、古くからの重工業地帯である東北地方(旧満州)の振興を打ち出しているが、日本企業の資本と技術に依存せざるをえない状況になっている。指導者間の交流は棚上げしながらも、人と人の往来、民間レベルの関係強化を望んだ背景には、こうした事情も含まれているに違いない。【北京・上村幸治】
◇「尖閣は日本領土、国挙げて示せ」…石原国交相
石原伸晃国土交通相は3日、大分県別府市で開かれた自民党参院議員の会合であいさつし、沖縄県の尖閣諸島・魚釣島に中国人活動家が不法上陸した事件に関連し、「中国、台湾との外交関係は大切にしなければならないが、個人的には、あそこに海上保安庁のヘリポートを造るとか、灯台を建てるとか、日本国(の領土)であることを国を挙げて示すことも必要ではないか」と述べた。海保を所管する閣僚の発言だけに波紋を呼ぶ可能性がある。
[毎日新聞4月4日] ( 2004-04-04-01:50 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20040404k0000m010141002c.html