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2004年4月3日
プーチン政権の中央集権化が加速
ロシアで初の連邦構成主体が合併
ロシアのプーチン大統領は三月二十六日、ウラル地域にあるペルミ州と、隣接するコミ・ペルミャーク自治管区の合併法案に署名した。プーチン政権はこの合併を手始めに連邦の再編成を進め、中央集権体制の強化と、地方財政の平準化による貧困地域解消を目指す構えだ。一方、連邦の再編成の過程で、不満を持つ地方首長などと野党勢力が結びつき、その活動を活発化させる可能性があるが、ロシア下院は三十一日、モスクワなどでのデモを事実上禁止する法案を基本採択し、野党活動の封じ込めに進んだ。
(モスクワ・大川佳宏)
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集会・デモ制限法を可決 野党活動の封じ込めへ
任期二期目に向けたプーチン大統領の最重要政策は、「貧困対策」である。モスクワなどで経済発展が進む一方で、地方の住民を中心に国民の約四割が貧困ライン以下の生活を余儀なくされており、この中央と地方の生活水準の格差を縮めることが重要なポイントとなる。
現在、ロシアに八十九ある連邦構成主体のうち、約半数が赤字で中央からの交付金を受けている。目ぼしい産業のない地方では、一家の最大の現金収入が、同居する祖父母のわずかな年金というケースも珍しくない。このような貧しい地方の一つが、今回、隣接するペルミ州との合併が決まったコミ・ペルミャーク自治管区だ。
ペルミ州とコミ・ペルミャーク自治管区の経済規模は約百対一。連邦政府は二〇〇七年の合併完了までに交付金とは別に、同自治管区予算の二・七倍に当たる約五十億ルーブル(約二百億円)を支出し、自治管区の経済発展に向けた社会基盤を整備する。もっとも、同自治管区に対する毎年約十三億ルーブルの交付金が合併後には要らなくなることを考えれば、安い支出である。
この合併を熱心に推進したのは、一見すると不可解だが、貧しい自治管区を背負い込む形になるペルミ州のトルトネフ知事だ。同知事はこのほど天然資源相に任命されたが、“合併の功績”が、抜てきの理由とみられている。また、同知事は合併後に発足する「ペルミ地方」の知事選での当選が確実視されているが、この場合、現在のペルミ州知事としての任期はカウントされず、新たに発足する「ペルミ地方」でさらに二期、知事を務めることが可能である。
プーチン政権は今回の合併を皮切りとして、地方政府の合併を推進する構えだが、今回のケースと同様に、連邦政府内のポスト提供や、合併による事実上の多選許可などで知事らを“懐柔”する方向だ。
広大な国土に多くの連邦構成主体が林立する状態は、特にエリツィン時代に中央政府による統制をマヒさせることにつながっており、プーチン政権にとって「連邦の再編成」は貧しい地方の救済と同時に、中央集権体制のさらなる強化に向けた極めて重要なプロセスとなる。連邦構成主体についてミロノフ上院議長は「四十程度までの削減」との見通しを述べ、ジリノフスキー下院副議長は「十五までの削減」を口にしている。
もっとも、連邦構成主体の合併で不利益を被る地方首長らも多い。プーチン政権にとって、昨年十二月の下院選で大敗させた共産党など野党勢力と、合併推進に不満を持つ地方首長が手を結び、野党活動が活発化することは避けたい事態だ。
議会でほぼ無力となったこれら野党にとって、主要な活動舞台は街頭集会やデモであるが、与党が絶対多数を占める下院は三十一日、先手を打つかのように、これら街頭集会やデモを大幅に規制する「集会・デモ制限法案」を基本採択した。
同法案は政府機関、外国公館、幹線道路、文化施設などの周辺での集会やデモなどを禁止するものであり、これら施設が各所にあるモスクワなどでは、市内のほとんどの地域で集会・デモが事実上禁止されるとみられている。政府ポスト提供などによる知事の“懐柔”と、野党活動の封じ込めという「アメとムチ」を使い分けながら、プーチン政権は中央集権化を加速しつつある。
http://www.worldtimes.co.jp/w/rosia/rosia2/kr040403.html
ロシアの富豪……と、プーチン大統領
http://www.asyura2.com/0401/idletalk8/msg/532.html