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日本が他国から攻撃された時の住民避難や保護の手続きを定める国民保護法案の要綱が24日、発表された。有事の避難計画策定で最先端を行く鳥取県では同日、「その日」を想定した市町村への講習会が始まったが、受講者からは戸惑いも漏れた。要綱からは、有事に国民の生活がどうなっていくのか、明記された「基本的人権を尊重する」は果たして実現されるのか、具体的なイメージは見えてこない。
◇鳥取県が避難計画で教育訓練
全国に先駆けて昨年、有事の住民避難マニュアルを作った鳥取県は24日、県内の市町村の担当者を倉吉市に集めて、避難計画についての教育訓練を実施した。法成立後に、市町村が作らなければならない有事の住民避難・保護の業務計画づくりの方法などを、陸上自衛隊や消防庁から講師を招いて講習した。
市町村の担当者らは「その日」を意識した緊張感の中にも、「イメージがわかない」「まだ計画は白紙」と戸惑い気味。西伯(さいはく)町の職員は「分からないことばかり。住民を守るのは警察や自衛隊だと思っていて、行政の仕事とは考えてもみなかった。しかし、法律で市町村に責任が生じる以上、やるしかない」と話した。
陸自第8普通科連隊(同県米子市)の渡部博幸連隊長が制服姿で講師に立ち、太平洋戦争の沖縄戦の疎開の実態などを解説した。1944年7月には九州や台湾に計10万人を疎開させる計画があったが、「行政の担当者の熱意が不足したり、米潜水艦の脅威もあって断念した」などと経緯を話した。県の担当者によると、「うまくいかなかった戦史」から教訓を得ようという狙いだという。
午後は消防庁防災課の担当者が国民保護法案の内容などを講義し、25日にはペルーの日本大使館占拠事件を取材した独立総合研究所の青山繁晴氏が「自治体の危機への対応」と題して講演する。【青島顕】
◇判然としない実態
小池政行・日本赤十字看護大教授(国際人道法)の話 国民保護法案など有事関連法の運用・実態の多くは、内閣が今後作成する実施計画、指針などに委ねられており、実際にどのような指示、制限が生じるのか判然としない。実態が分からなければ、基本的人権の尊重も、果たしてどう尊重されるのか全く分からないことになる。
法の細目でも、いくつか不安を感じる。日本に在留する180万人の外国人に対する保護はほとんど念頭になく、日本赤十字社が彼らの安否調査を行うと規定されているだけだ。またボランティアの協力や住民の自発的協力を奨励しながら、彼らが障害や損害を負った場合、何ら補償する規定がない。補償が行われるのは政府、自治体等の指示を受けて協力した者のみとされていることは大きな問題だ。
[毎日新聞2月24日] ( 2004-02-24-15:12 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040224k0000e040074000c.html