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Re: 世界が知る日本のご臨終と改革ーソフトな亡国を乗り切るために  日本脱藩のすすめ  第67号
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投稿者 輪王 日時 2004 年 2 月 02 日 05:07:38:7Wana4LnpSbpU
 

(回答先: Re: 亡国への道「裁判員制度」 「魔女狩りの時代」 投稿者 輪王 日時 2004 年 2 月 02 日 05:05:06)

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       日本脱藩のすすめ  第67号
              
    世界が知る日本のご臨終と改革ーソフトな亡国を乗り切るために
      2001/08/21
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はじめに
 
 最近、メーリングリスト【藤原肇】のメンバーの一人、金子純一さんの貴重な投稿
がありました。在米の藤原肇博士の賞賛を受けた素晴らしいものであり、読者の皆さ
んにも是非目を通していただきたい内容であることから、金子さんご本人の承諾を得
た上で、シリーズで以下の通りメールマガジン【日本脱藩のすすめ】第67号および
68号に分けて発行致します。
・世界が知る日本のご臨終と改革ーソフトな亡国を乗り切るためにー(第67号)
・藤原思想の枠組みと新世紀の創作活動(第68号)
なを、第68号は近日中に発行の予定です。
■■■ 1.世界が知る日本のご臨終と改革ーソフトな亡国を乗り切るためにー
■■■ 
■■■   編集・金子純一
 戦争に負けて物理的に滅亡するばかりが亡国ではない。自己の運命を主体性を持っ
てコントロールする能力を失い、ついにはそうする意思や気力を失うこと、これこそ
がソフトな亡国現象である。
大東亜戦争の敗戦以来、今年で56年経った。そして今日、日本は、哲学・思想・教
育・エリートのモラル・インテリジェンス能力・財政・政治・外交・市民運動・企業
行動等々の数多くの分野で、ご臨終・ご破算の状況を呈している。
このご臨終・ご破算に至る迄の日本の実状は世界中の識者に詳しく知られているのだ
が、肝心の日本人自身は、明治維新時の歪みを引きずる天皇制と戦中の国家総動員体
制の二つを引き継いだ戦後体制のもとで、教育・報道を通じた情報操作、高度成長に
よるハロー効果等の影響で、日本の真の姿を知らぬまま、荘園領民と井の中の蛙に甘
んじる状況を長く続けてきた。
 ドイツ人のエコノミスト、リチャード・A・ヴェルナーは最近出した「円の支配
者-Princes of the Yen」(草思社) で、日銀の少数のプリンス達が、窓口指導により
信用創造と信用配分のコントロールを通じて、意図的にバブルの生成と崩壊を作り出
し、危機を演出することで、前川レポートという10年計画を達成し、大蔵省を潰し
て中央銀行の独立を強化し、日本が戦前にそうであったような、米国型の開かれた競
争社会に戻そうとしたのだと主張している。
これに加えて、SII(日米構造協議[偽訳])や日米包括協議の内容と段取りを考えあわ
せれば、ウィリアムズ・レポートと前川レポートが親子の関係であることは明白であ
る。
であれば、日本は所詮外圧がなければ変わらないとか、夜明け前が一番暗く、やがて
夜明けとともに新しい社会の輪郭が見えてくれば、また皆すぐにそれに慣れて元気に
暮らしはじめるから大丈夫だ、という意見が聞こえてきそうだ。
私は、日本改革の機運に反対するものでは全くないが、残念ながらこのままでは、改
革の進展と今後起こりうる事態はそれほど楽観できないと思う。
それには、2つ理由がある。
一つは、近代市民社会が未発達である日本で、日本人は、この社会改造を自分たちの
手で選び取ったのではなく、誰かに危機を演出されり、政治的に迫られたりした結果
として、用意された一連の改革パッケージを受動的に受け入れる形式のものとなって
いるからである。
これでは、黒船・文明開化・鹿鳴館と同じかそれ以下であり、福沢諭吉の「文明論の
概略」を持たぬ分だけ、明治維新よりもさらに国民の理念的レベルが低い改革となり
うる。
今回の日本改造が、世界の文明の流れのなかでどういう意義を持つものなのか、日本
に改革を迫る現代西洋文明の究極の理念・思想は何なのか、我々はその中でどう生き
るかを問わないで進めば、革命につきものの社会の混乱・揺り戻しが長引く可能性が
ある。
また、正しい理念がエリート層に共有されなければ、改革後、拝金主義や競争主義に
陥る若者を増やし、庶民は何とか飯が食えればよいというその場しのぎに始終するこ
とにもなり、見かけだけ繕って現代版鹿鳴館の恥をさらすことにもなる。
 改革の進展と今後起こりうる事態がそれほど楽観できないと考えるもう一つの理由
は、バブル崩壊後10年以上を経た間の日本社会の精神的な継続疲労の蓄積と自信の
喪失度合いがかなりなものとなっている上に、これから始まるであろう、世界レベル
での大規模な経済変化(米国バブルの崩壊・途上国通貨危機→ドル急低下→機軸通貨
制度への構造的改革。中国市場への生産集中シフトによる世界的規模での産業空洞化
現象→世界的デフレ傾向。中国国内の動乱。中東紛争の拡大影響→石油ショック。)
のストレスがさらに加わる可能性があるからだ。
長く続く社会の不安・混乱のもとで、失業と収入の低下の脅威に怯え、自己の運命を
主体性を持ってコントロールする能力を長期間に渡って失い、ついにはそうする意思
や気力を失うに至った国民が、過去どういう選択をしてきたか世界の歴史を見れば明
らかである。こういう時期が、国家主義者や独裁者の出番となり、国家間で紛争が起
こされる確率が高くなるのだ。
 こうして見ると、現在進んでいる日本の改革の成否を長期的視点で見た場合、その
成否は、改革の理念をどれだけ高い次元で国民が共有できるか、また、改革後の混乱
期に予想される上位レベルでの経済変化が起こす巨大ストレスを、バブル崩壊後から
蓄積した精神的疲労の上にさらに抱えて乗り切れるかどうかにかかっていると言える
のである。
___________________________________________________________________
編集     金子純一
発行     亀山信夫
問い合わせ先 dappan@rb3.so-net.ne.jp
ホームページ http://www08.u-page.so-net.ne.jp/rb3/dappan/
読者総数   1091名
___________________________________________________________________


メーリングリスト【藤原肇】
http://www08.u-page.so-net.ne.jp/rb3/dappan/fujiwara/mailing_list.html

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