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小泉最大危機、政府は「撤退する理由ない」--- 万一のことあれば政権の致命傷に
最大の危機を迎え、険しい表情で官邸入りする小泉首相=9日午前8時20分
イラクで日本人3人が拘束された事件は、日米同盟を重視して自衛隊派遣に踏み切った小泉純一郎首相に対テロ戦争の冷酷な現実を突き付けた。まさに小泉政権発足以来、最大の危機を迎えたようだ。
「人質救出のため、全力を尽くしてほしい」
衝撃の一報から一夜明けた9日午前9時過ぎ、小泉首相は首相官邸で開かれた閣議で、厳しい表情でこう指示した。
これに先立ち首相は官邸対策室の会議を召集。福田康夫官房長官や川口順子外相、石破茂防衛庁長官、関係各省庁の幹部とともに、収集した情報を分析して今後の対応を協議した。
「自衛隊はイラクの人々のために人道復興支援を行っている。そういうことを考えて、わが国として撤退する理由はないと考えている」
昨8日夜の緊急記者会見。福田長官はテロリストの卑劣(ひれつ)な要求をこう突っぱねた。
「テロに屈しない」「国際貢献は重要」(首相)として、米英軍中心のイラク戦争や占領行政を支持し、自衛隊による人道復興支援を推進してきた小泉政権にとって、現時点での自衛隊撤退は考えられない選択。
国際社会の理解が得られないだけでなく、首相の盟友・ブッシュ米大統領の対イラク政策や大統領選戦略に打撃を与えるうえ、テロリストから「脅しに弱い国家」と軽く見られ、さらに付け込まれることになりかねないからだ。
とはいえ、政府にとって「人命尊重」「国民の生命と財産を守る」は最優先課題。テロリストが憎悪の対象である米国を支援する日本人殺害を躊躇(ちゅうちょ)するとは思えず、「人質に万が一のことがあれば、国民世論が政府方針に厳しくなるのは必至。小泉政権の致命傷になりかねない」(与党幹部)。今月25日の衆院3補選や、7月の参院選への影響を懸念する声もある。
こうした中、抵抗勢力の雄である自民党の古賀誠元幹事長は「イラク支援が始まって以来の危機だ。『人の命は地球より重い』と言った人もいる。そういうことも含めて、しっかりした対応を取るべきだ」といい、人命を最優先にして犯人側と交渉することも必要だとの考えを示した。
奇しくも、昭和52年の日本赤軍によるダッカでの日航機ハイジャック事件で、「人の命は地球より重い」といって、超法規的措置でテロリストが要求した拘留中のメンバーの釈放を決断したのは、現在、首相官邸を取り仕切っている福田長官の父、福田赳夫元首相だった。
タイムリミットの11日夜までに、テロリストが日本国民が震撼(しんかん)するような新たな脅迫ビデオの公開などで揺さぶりをかけてくる可能性もあるが、果たして小泉政権は耐えられるのか?
ここに、興味深い事実もある。平成5年のカンボジアPKOで、日本人文民警察官が殺害された直後、宮沢内閣の郵政相だった小泉首相は記者会見でこう語った。
「カンボジアは内戦に近い状況だ。(PKO部隊などの撤収は)これからの進展を見て十分考えなくてはならない。派遣された要員は命まで捨ててとは考えていない。(部隊撤収で)国際的非難を浴びても、日本は原点を忘れてはならない」
ZAKZAK 2004/04/09