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夕べに「ゲリラ」を聞き 朝(あした)にガサるとは怪なり
日本国軍イラク派遣部隊の本隊第二陣出撃を目前にしていた二月十七日夜、東京・市ヶ谷の防衛庁近くで、「ゲリラ事件」が引き起こされた。
マスコミ報道によると、午後十一時ごろ「ドンドンと爆発音がした」との通報をうけて警視庁牛込署が調べたところ、防衛庁から北西約五五〇b離れた寺の境内から発射筒二本(いずれも内部で火薬が爆発した痕跡がある、長さ約六〇a、直径約一〇a)が発見されたという。弾(たま)がどこかに着弾したという報道は無い。つまり「実害」は皆無。〔事件から一週間以上もたってから、「金属弾」の一つが四谷の小学校の校庭にめりこんでいた、という報道が流された。この「金属弾」が何者かによって埋められていた可能性もある。〕
特異なのは、事件直後からいっせいになされたテレビ報道。事件の第一報から各局いっせいにニュース速報のテロップが流され、その後には事件現場からの実況中継すらなされた。「金属弾」が本当に発射されたのかも定かではない、そもそもが怪しげなこの「ゲリラ」なるものを、あたかも重大事件発生ででもあるかのように騒いだ。
しかも、「犯行声明」が出ないうちから、早ばやと「発射装置の形状や仕組み」から「革労協反主流派(=山茂派)の犯行……」と、公安筋がリークした情報がそのまま報道された。警察がリークした情報をそのまま報じるマスコミもマスコミだが、露骨なのは、山茂派を「実行犯」として印象づけるための警察による強引な世論誘導。
その最たるものが、翌朝におこなわれた警視庁による山茂派の「事務所」など全国二十七ヵ所の一斉家宅捜索だ。それは「ゲリラ」発生からわずか七時間後のこと。この全国一斉ガサが、「ゲリラ」のニュースと山茂派への全国一斉ガサのニュースとを同時にテレビ・新聞に流させることを狙ってのものであることはミエミエだ。国家権力内の極悪分子が、オモテの警察に山茂派にたいする大々的な家宅捜索体制をとらせたうえで「ゲリラ事件」を引き起こしたことは明らかだ。
全国一斉ガサをうけた「拠点」の数よりも活動家の数の方が少ない極小集団の青解・山茂派に、とても今回のような「ゲリラ」など実行できるわけがない。これは社会的常識。当の山茂派じしんが、二月三日に千代田区五番町で発生した「爆発音」――これじたい奇妙な事件であり・真相はうやむやにされた――を口実としたガサをうけて、「解放派のゲリラ戦闘と決めつけての……ガサの強行」と悲鳴をあげていた(ニセ「解放」第七六〇号一〇面)。ゲリラの追認なんてマッピラ御免だ≠ニいう消滅寸前の走狗集団としての本音をモロ出しにしている。
それゆえ国家権力内の極反動分子どもは、「ゲリラの実行犯は山茂派だ」というイメージを労働者・人民の脳裏に強烈に植えつけるためにこそ、事件直後の全国一斉ガサというパフォーマンスを演じてみせたのだ。
「ゲリラ」事件が引き起こされた当日の二月十七日に警視庁は、「自衛隊のイラク派遣に伴って国内の主要施設に対するテロが懸念される」(このことを「証明」してみせるために当日に「ゲリラ事件」を引き起こした!)と称して、マスコミを集めて「テロ対策」の公開訓練をおこなった。機動隊、銃器対策部隊や爆発物処理・化学防護部隊など総勢五四〇人を動員した大がかりなかたちで。さらに二十日には、警察庁が国内の重要施設の警備をイラク戦争開戦直後の警戒レベルにひきあげることを決定し、成田空港などの主要空港に初めてサブマシンガンを装備した銃器対策部隊を配置した。しかも、このことについては、アメリカ・ブッシュ政権の報道官が、日本政府から「通告をうけている」と表明した。
いま小泉政権は、ブッシュ政権からの「対テロ戦争」への協力要請に積極的に応えるかたちで、国内の治安弾圧体制の強化に全体重をかけて突進している。走狗集団=山茂派を追認役とした今回の事件は、そのためのテコとして周到に準備されたものにほかならない。
戦時下において一挙に強められている治安弾圧体制強化の諸攻撃を、警戒心をとぎすませつつ、断固として打ち砕いていこう。