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00年3月、保険金目的で東京都杉並区の自分の店舗に放火したとして、現住建造物等放火と詐欺罪に問われた元すし店経営、高野利幸被告(46)に対し、東京地裁は23日、無罪(求刑・懲役13年)を言い渡した。大島隆明裁判長は「検察側が主張する出火場所は間違っており、被告以外の何者かが放火したと考えられる」と指摘した。
出火場所と原因が争点で、検察側は「2階の部屋の押し入れに被告が放火した」と主張したが、判決は「検察側が根拠にする専門家の鑑定は、家の構造などの前提が違っていて信用できない。被告が放火した証拠はない」と退けた。「2階に放火した」との捜査段階の自白については、「燃焼状況と符合しないうえ、秘密の暴露もなく、信用性がない」と判断した。
高野被告は、00年3月2日昼、木造2階建て店舗兼住宅に放火し、半焼させ、「出火原因は漏電」として2カ月後に火災保険金約720万円をだまし取ったとして起訴されていた。【渡辺暖】
◇笠間治雄・東京地検次席検事の話 捜査上の反省点がないわけではないものの主張が認められず残念。判決内容をよく検討し、上級庁と協議のうえ対応を決めたい。
[毎日新聞2月23日] ( 2004-02-23-12:53 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040223k0000e040048000c.html