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静岡県清水市(当時)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人が殺された「袴田事件」で、再審を求めている元プロボクサー、袴田巌死刑囚(67)の姉の秀子さんが20日、静岡家裁浜松支部に成年後見人を選任するよう申し立てた。袴田被告は長期間の拘置で精神に異常をきたす拘禁反応が表れ、親族も面会できない状態になっているとされ、後見人を選任する際に必要な医師の診断を通して袴田被告の状態を知りたいとしている。
弁護団によると、袴田死刑囚は昨年3月10日、弁護団が11年9カ月ぶりに東京拘置所で面会した際も「自分は全能の神」などと話し、全く会話が成り立たなかった。
刑事訴訟法によると、死刑囚が心神喪失状態になった時は、法相の命令で執行が停止される。成年後見制度は痴呆性高齢者、知的障害者らを対象に、判断能力がない人たちの権利を守るための制度で、家裁が後見人を選ぶ際に、判断能力の有無を医師が鑑定するのが通常だ。弁護団は「袴田さんがどんな状態にあるかはっきりさせ、執行停止を求めたい」と話している。
袴田死刑囚は80年に最高裁で死刑が確定した。再審請求に対し、静岡地裁が94年に請求を棄却する決定を出し、弁護団が東京高裁に抗告している。【小松雄介、葛西大博】
[毎日新聞2月20日] ( 2004-02-20-15:06 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040220k0000e040041001c.html