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「無罪を言い渡すべきだった」として1審判決を破棄しながら、判決主文で無罪を言い渡さず「審理を地裁に差し戻す」と述べた福岡高裁判決の是非が争われた裁判の上告審判決が16日、最高裁第2小法廷であった。福田博裁判長は「無罪にするしかないのに、有罪の余地があるとして1審に差し戻したのは、職権の限界を超えている。2審判決には判決に影響を及ぼす法令違反がある」と1、2審判決を破棄し、被告の無職男性(49)に無罪を言い渡した。男性側の無罪が確定する。
同小法廷は、2審判決について「訴訟の経過を踏まえると、差し戻さないで自ら無罪を言い渡すべきだった。破棄しなければ著しく正義に反する」と述べた。
男性はホームレス。00年8月、福岡市のパチンコ店でナイフを所持していたところを従業員に通報され、路上で自転車のかごにナイフを入れていた銃刀法違反容疑の現行犯で逮捕、起訴された。男性側が公判で無罪を主張したところ、検察側はさらにナイフでパチンコ店従業員を脅した暴力行為の罪でも追起訴した。
福岡地裁は01年5月、「ナイフは男性の生活用品」として路上でのナイフ携帯を無罪とし、「凶器を見せておらず、暴力行為の構成要件を満たしていない」と追起訴分の罪の成立も認めなかった。しかし、パチンコ店内で正当な理由なくナイフを携帯したとして、起訴されていない銃刀法違反の罪を認定し、罰金10万円を言い渡した。
男性側が控訴したところ、福岡高裁は02年4月、起訴していない事件を有罪とした手続きを問題視し、「判決は違法であり、起訴事実を無罪と判断したのなら、主文でも無罪と言い渡さなければならない」と述べた。しかし一方で「(本当に無罪と判断すべきか)疑問の余地があり、地裁が不備を是正すべきだ」として、審理を福岡地裁に差し戻した。2審判決が差し戻しを命じても、被告側が上告すれば、最高裁に審理を求めることができるため、男性側が上告していた。【小林直】
[毎日新聞2月16日] ( 2004-02-16-14:33 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040216k0000e040068001c.html