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安田弁護士事件も知らないマスコミ記者が
麻原裁判を報道する?
2004.2.11
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マスコミ記者は安田弁護士事件を知らなかった
安田好弘弁護士が「強制執行妨害」容疑ををでっち上げられた事件で、昨年(03年)12月24日、東京地裁が無罪判決を言い渡したことを以前本サイトで紹介した。
その後、04年1月19日に開かれた「人権と報道・連絡会」定例会で、安田弁護士は事件と裁判について話し、でっち上げの背景にあった麻原裁判の弁護妨害と、旧・住宅金融債権管理機構(住管)における弁護士の国家権力への組み込み、そしてマスコミ報道を厳しく批判した。
私はこの会には参加できなかったが、後日、安田さんがマスコミ報道について意外な報告をしていたことを知った。
以下は、会員向けのニュースニュースからの引用。
『韓国では、疑獄事件などを除き、一般刑事事件の匿名報道が定着している。・・・日本ではどうか。私の場合、匿名どころか有罪を前提に糾弾・予断報道が累々と行われた。
判決に関しても、司法記者はすでに代わっており、事件について何も知らないばかりか、関心外だった。判決前、事件に関する問い合わせもなく、聞いてきたところも心境ぐらいだった。弁護団がていねいにレクチュアし、ようやくこの程度の報道になった』
私が意外だと思ったのは、韓国の報道ではない。(韓国の報道は、韓国紙のウェブサイトの日本語版で誰でも確認できる。) マスコミ記者が何と安田弁護士事件を知らなかったということだ。
一方、安田さんが弁護団の主任弁護人を務めていた麻原裁判に関していえば、今月(04年2月)27日の判決公判を前に、宗教団体アーレフ(旧オウム真理教)関係者に対する過熱取材が始まったと「人権と報道・連絡会」幹部から聞いている。
また、安田弁護士事件と同様に犯人視報道とでっち上げ逮捕・起訴が問われている仙台「筋弛緩剤」事件(被告・弁護人は事件そのものがなかったと主張しているので、マスコミが呼ぶ事件名そのものが誘導的であるといえる)についても、マスコミ各社は最終弁論公判(2月9〜10日)を詳細に伝えた。
これらと安田弁護士事件判決報道とのあいだには、一体なぜこのような落差があるのだろうか。
権力・マスコミによる麻原裁判弁護の妨害
理由のひとつは、本人も認めているように、安田さんの事件は「強制執行妨害容疑」というあまり面白くない事件だったということだろう。
しかし、私はそれだけではないと考えている。
何といっても、安田さんが他ならぬ麻原裁判の主任弁護人であり、旧オウム真理教に関連して、権力にとって甚だ都合の悪い事実を知っており、さらに真相に迫ろうとしていたことを考えなければならない。
安田さんは「人権と報道・連絡会」定例会で、自分が逮捕される直前、麻原裁判で検察が隠蔽しようとしている事実を明らかにしようとしていたと話した。ここでいう事実とは、
警察は松本サリン事件の前から、オウムが所持していたサリンを含む薬品を把握していた。(にもかかわらず、警察は「河野義行さんの犯行」との嘘の情報を流した。)
警察は地下鉄サリン事件の前日に自衛隊で捜索の訓練をしていた。
地下鉄サリン事件で、警察は鑑定の結果が出る前にサリンと断定した。
警察は教団を監視し続けており、地下鉄サリン事件の日に警察が彼らを尾行していなかったはずがないというのが安田さんの仮説であり、それを裏付けして事件の真相を暴露しようというのが、安田さんが逮捕される直前にしていた仕事だった。
権力とマスコミはこの仕事を妨害してきた。権力は事件のでっち上げ・逮捕・拘束という手段で安田さんの弁護活動を中断、しばらくできないようにさせた。マスコミは犯人視報道で安田さんの社会的名声を低下させた。
マスコミが権力に追従するのはいつものことだが、彼らが「麻原死刑」というストーリーを描いていたときに、それと違うことを法廷で主張し、しかも死刑廃止運動のリーダーである人物の存在が目障りだったことは容易に推測できる。
安田さんに非常に強力な支援者がついてからは、マスコミはトーンダウンしてきた。事件でっち上げの構図が明らかになると、記者は法廷に来なくなった。マスコミの沈黙は安田さんと支援者を世論から切り離す手段だったと私は思う。そして安田さんを犯人視報道した記者の後輩は、世論に従ってものを書くように訓練されているため、沈黙させられた世論から安田さんの事件を取り上げることができなかったのだろう。
安田弁護士事件も知らない記者が、麻原裁判の判決公判を知ったかぶって報道するのが目に浮かぶようだ。
http://www.aurora.dti.ne.jp/~osumi/yasuda/yasuda07.html