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息子や孫を装い高齢者宅に電話をかけ、金をだまし取る「オレオレ詐欺」が昨年1年間に47都道府県のすべてで計約6500件起こり、被害総額が約43億2000万円に上ることが29日、警察庁のまとめで分かった。逮捕者は少年6人を含む58人を数え、事件に利用される恐れがあるとして金融機関に対し、口座凍結を依頼したケースは約3300件に達した。
オレオレ詐欺の認知件数のピークは過ぎたとはいえ、依然高水準にあることから、全国の警察本部は重点捜査を進めるとともに、高齢者を中心に被害防止の防犯指導を強化している。
まとめによると、認知件数は昨年7月(475件)から急増、10月に入って、初めて1000件を突破し1320件。11、12月も1000件を超えた。ただ、全国的にその手口が知られるようになったことから、未遂事件の比率が高くなっている。
話の持ちかけ方は、交通事故の示談金名目が約4000件と最も多く、消費者金融などの借金返済名目が約1300件、妊娠中絶した女性の手術費用名目が約370件など。被害者は4割近くが70代で100歳の高齢者も。女性が多く、被害額は6割以上が100万円以下だが最高は1800万円だった。
一方、犯人は10代から30代の無職男が多く、銀行口座の準備、電話、見張り、金の引き出しと役割分担したグループが目立つ。「金を振り込まなければ、息子はどうなるか分からない」などと詐欺というよりは恐喝の文言が多くなっているという。
http://www.sankei.co.jp/news/040129/0129sha080.htm