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東京都世田谷区の芸能事務所で昨年11月、書類が盗まれる事件があり、警視庁玉川署が、窃盗容疑などで逮捕した男の供述をもとに、事件とは無関係の事務所社員の女性(40)を窃盗ほう助容疑で逮捕していたことが14日わかった。
その後の調べで、男の供述が虚偽だったことが判明し、同署は4日後に女性を釈放した。警視庁では今月7日にも別の誤認逮捕が発覚したばかり。
関係者の話によると、昨年11月22日午前10時ごろ、芸能事務所に出社したこの女性が、事務所内の机などが荒らされ書類が盗まれているのを見つけ、社長を通じて110番通報した。
玉川署が事務所を退職したばかりの30歳の男から事情を聞いたところ、容疑を認めたため、同日、窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕した。男はその後、窃盗罪などで東京簡裁に起訴された。
逮捕当時、男は調べに対し、「侵入した時、事務所のドアはかぎが開いており、社内にいた女性から『何か持っていけば』と言われた」などと供述。これを受け、同署は同月28日、女性を窃盗ほう助容疑で逮捕した。
女性は逮捕当初から、「犯行のあった時間は、入院中の役員の見舞いに行くなどしており、事務所にはいなかった」と無実を訴えていたが、同署は5日間にわたって身柄の拘束を続けた。この間、同署の刑事から「事務所にいたはずだ。よく思い出せ」などと追及されたという。
しかし、12月1日になって、事務所近くの鍵店で、逮捕された男が11月20日に事務所ドアの合鍵を作っていた事実が判明。事件当日の女性のアリバイも確認されたことから、同署は12月2日午後9時過ぎになって、ようやく女性を釈放し、同日、男を虚偽告訴容疑で再逮捕した。
釈放の際、同署の署員は女性に対し、「男の供述を重視したあまり、逮捕してしまった。申し訳ない」と謝罪したというが、女性は、「いわれなき汚名を着せられたにもかかわらず、警察は簡単な謝罪で済ませたままだ」と憤っている。
一方、同署は「容疑者の虚偽供述が判明した時点で速やかに女性を釈放し、容疑者を虚偽告訴容疑で再逮捕した。結果として女性を拘束したことは誠に申し訳なく思っている」としている。
警視庁では今月7日にも、大森署が事件と無関係の女性を窃盗容疑などで誤認逮捕し、その後、釈放していたことが発覚している。
(2004/1/14/14:36 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040114i106.htm