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[検証・宮城沖地震から1年]/1 情報伝達 生かせなかった「IT」 /岩手(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/0401/it05/msg/579.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 5 月 26 日 05:57:46:eWn45SEFYZ1R.
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040525-00000003-mai-l03

5月26日午後6時24分――。ごう音とともに激しい揺れに見舞われた宮城沖地震から明日で1年。県内では死者こそなかったものの重軽傷者は91人、被害額は県内で発生した地震としては過去最高の118億8940万円に上った。情報伝達や交通網の問題点も浮き彫りになり、さまざまな課題が指摘された。将来的な大地震の発生が確実視される中、地震から得た教訓とその後の改善策を探った。
 ◇県職員の徹底課題
 「ファクスが送信できない」「何がどうなっているんだ」。地震発生から数時間後、県庁内の災害対策本部で職員らに焦燥感がにじんだ。各地方振興局から被災状況のまとめがファクスで続々と寄せられる中、なぜか大船渡地方振興局の情報だけが受信できなかった。
 県庁と振興局などの出先機関を光ファイバーケーブル網で結ぶ「情報ハイウェイ」は00年に導入。年間2億4000万円もの回線料がかかるが、専用回線のため災害時の情報収集に大いに役立つはずだった。
 しかし意外なところに落とし穴があった。ハイウェイは通常、テレビ会議などで活用されるものの、常時使用している職員は限られる。そのため、大船渡地方振興局では地震発生直後に対応した職員が操作に戸惑い、トラブルにつながった。
 情報伝達の問題点は被害現場と各地方振興局との間にも生じた。県は情報ハイウェイの導入とともに防災無線を廃止した。そのため現場からの情報伝達に携帯電話が使われたが、地震発生直後から携帯電話の発着信に規制がかかったため、職員は現場と振興局を何度も往復しながら被害状況の把握に奔走するしかなかった。「IT(情報技術)社会」を生かしきれなかった現実を露呈することになった。
 県はこれらの教訓を踏まえ、県庁や振興局に配備している災害時優先の携帯電話を27台増やしたほか、1台20万円以上もする衛星電話も15台増設した。
 しかし、情報ハイウェイや衛星電話などの使用方法を把握している職員はごくわずか。そのため県は、機器の使用方法の周知徹底と防災意識の高揚を目的に、災害時を想定した初めての通信訓練を昨年6月に実施。さらにはインターネットによるメールを使った情報収集態勢も整えた。
 総合防災室の佐々木全爾室長は「メール操作なら職員も手馴れており問題はない。災害時に電話での通話はふくそうしても、メールのやりとりは規制がないためスムーズにできる。職員には年3回実施している訓練を通じて意識を高め、災害に備えてもらいたい」と話す。
 県内では盛岡市や北上市が地元のタクシー協会と協力して、タクシー無線を使って災害情報を収集する新しい態勢をつくった。迅速かつ正確性が求められる情報伝達だけに、県庁をはじめ県内の各自治体は地震がもたらした課題の克服に懸命だ。【橋本勝利】(毎日新聞)
[5月25日18時41分更新]

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