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■Winny事件公判 Vol.282 05/09/04
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●HP(登録・解除) http://www.emaga.com/info/xp010617.html
1.京都府警ハイテク犯罪対策室
一昨日、京都地裁まで足を伸ばしてきた。
ファイル共有ソフトWinnyに関する著作権法違反事件
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/27/1289.html
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/28/1298.html
http://dayomon.fc2web.com/winny/
http://612.zive.net/mt/archives/000242.html
の第3回公判が開かれたためだ。
この日行われたのは、Winny の動作状況について実況見分を行っ
た警察官に対する尋問。
一部読者の便宜を考えて、先に概要を報告しておくと、次のとお
りである(録音していたわけではないので、厳密な反訳ではない)。
http://homepage3.nifty.com/argus/gaiyo050704.txt
<参考>Winny
http://www.nan.sakura.ne.jp/winny/
http://members.at.infoseek.co.jp/roikix/winny/what_winny.html
次回公判は6月15日火曜日午後2時から京都地裁202号法廷
で行われる。
京都府警捜査員ハタ・ケンジとオクノ・マサカズに対して、京都
府警と被告人間のPC接続状況等に関する尋問が行われる予定。
2.情報流出
筆者自身はWinny、WinMXはもちろんのこと、その他いかなる P2P
のファイル共有ソフトも利用していない。しかし、読者も御存知の
とおり、最近、警察や自衛隊、それに公安調査庁の内部資料が流出
する事件が相次いで明るみとなり、
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040430k0000m020136000c.html
http://magic_10.at.infoseek.co.jp/winny.html
筆者も少なからぬ関心を寄せているのだ。
特に警察情報の流出については、他ならぬ京都府警管内の資料が
含まれているだけに、その醜態は覆うべくもない。データ自体は捜
査書類の書式などに関するものがほとんどで、秘匿度は低いにして
も、中には被害者の個人情報や加害者の犯歴情報が残されたものも
ある。
<参考>
■京都府警流出資料(約8.5MB)
http://homepage3.nifty.com/argus/kyotop.zip
犯罪者、犯罪被害者等に関する個人情報は削除した(「※消去」
と記入)。修正したファイル名の冒頭には「M」の記号を加えてお
いた。警察官の妻と見られる女性の肖像も数点流出しているが、今
回は掲載していない。
室内画像左上には、組織図もしくは緊急連絡簿のようなものが掲
示されているのが分かる。
一部ファイルの閲覧にはリコーの「文字ピタ」が必要。
http://www.rsk-tokyo.co.jp/products/software/pitatt_v2/index.html
■流出資料に記載のある七条警察署
http://homepage3.nifty.com/argus/7ps.jpg
後ろに見えるのは京都タワー
http://www.mapion.co.jp/c/f?grp=all&uc=1&scl=25000&el=135%2F45%2F44.670&pnf=1&size=500%2C500&nl=34%2F59%2F08.298
■北海道警流出資料
http://homepage3.nifty.com/argus/hokkaip.zip
元は一太郎ファイル。
これらのデータは通称「キンタマ」と呼ばれるワームに感染した
ことによって流出したものと見られている。
Winnyが公開されたのは2002年6月頃のことだから、
自衛隊の資料が流出した時期はかなり早い(上記毎日記事によれば
同年11月)。原因がウイルスによるものかどうかはよく分からな
い。
もっとも、その後、流出資料を装った種々の捏造ファイルも作成
されているようで、筆者が入手したいくつかのサンプルでは、ウイ
ルス検知ソフトが"Antinny.B"
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=WORM_ANTINNY.B
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/03/16/2448.html
を検出した。
検知ソフトをクリアしたファイルについても、スタンドアローン
の実験用機で圧縮ファイルを展開して実行してみると、レジストリ
を書き換え、その編集を妨害し、壁紙を猥褻画像に変更するなどの
現象が確認された。
様々な偽装が行われている様子なので、とりわけ Winnyユーザー
はかなりの注意が必要である。
http://myui.s53.xrea.com/kin/
http://perape.hp.infoseek.co.jp/column/f00/colm_f42.htm
http://www.geocities.jp/kim_virus/
次の資料は、自衛隊名簿と見られるファイルの一部を筆者がテキ
スト・ファイルに出力したデータである(一部データについては元
のエクセル・ファイルで開かないと表示されない)。
http://homepage3.nifty.com/argus/yobiji.txt
ちなみに、公安調査庁幹部590人分の名簿は、筆者の知る限り
そもそもエクセル形式のデータで流出したものではない。したがっ
てこれも悪意のファイルだと考えたほうがいい。
<参考>公調名簿データはこちらを
http://homepage1.nifty.com/e-yas/ura/meibo.html
3.捜査の謎
公判に話を戻すと、冒頭に示した尋問内容によれば、京都府警は
自ら Winnyを利用して、「放流」されていた著作権物をダウンロー
ドし、被告人を割り出したことになる。要するに一種のおとり捜査
とも言える。
ユーザーにとっては、いつどこで警察に「接続」「転送」されて
いるかも分からないので、今後さらに摘発が強化されることとなれ
ば、一定の牽制になるだろう。
http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/jiken/2004/01/07/
しかし、実を言うと、尋問内容を見ても、どうやって京都府警が
被告人を特定し、接続状況を確認したのかは、未だ明らかではない
のだ。
というのも、京都府警のPCと被告人のそれとが一本の専用回線
で結ばれているわけでは当然なく、実際には複数の中継機(100
万人を超えるという Winnyユーザーの端末の一部)を経由して、デ
ータが送受信されているはずだからである。IPアドレスも暗号化
されているので、具体的にどのように接続先を割り出したのか、非
常に興味深い。次回、証人尋問でどの程度、実態が解明されるのか
注目される。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0402/26/news078.html
http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/jiken/2004/01/07/
7日の公判を傍聴した限りでは、
http://homepage3.nifty.com/argus/gaiyo050704.txt
上記記事
http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/jiken/2004/01/07/
とは受ける印象がかなり異なり、京都府警ハイテク犯罪対策室が最
精鋭の専門家集団であるとも思い難いが、それはたまたま証言者が
専門家でなかっただけのことなのかもしれない。とりわけ、開発者
の47氏に対する家宅捜索や事情聴取がすでに行われている現在、
府警の捜査能力を過小評価するのは危険だろう。
http://612.zive.net/mt/archives/000091.html
4.弁護士サイトが削除
法的な論点については奥村徹弁護士が詳細なメモを掲載“してい
た”。
http://www.okumura-tanaka-law.com/www/okumura/tyosaku/winny.html
過去形にしているのは、上記のとおり、突如ファイルが削除され
ているからである。
その理由は定かでないが、同弁護士名の別サイトでは次のように
断っている。
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/
7日、午前9時に自宅を出発する前には資料を確認できたので、
削除されたのはそれ以降だということになる。ひょっとしたら、7
日の公判の休廷中に行われた進行協議で、検察からクレームでもつ
けられたのかもしれない。
まさか突然消去されるとは思わず、ファイルを保存していなかっ
たので、十分な論評ができないが、同サイト末尾に掲げられた「公
訴事実例」(実際の公訴事実の日付、場所、個人名を削除したもの
と思われる)の表現を一瞥した印象では、捜査当局のさじ加減次第
で、かなり広範な摘発が可能になるような印象を受けた(下記<参
考>の第1項目を参照)。
筆者の理解では、Winny の利用者はたとえ自ら違法ファイルのア
ップロードを行わなくても、データの中継・転送に協力する形にな
ってしまう。
http://www.google.co.jp/search?q=cache:8hi1KVg3BusJ:www.nan.sakura.ne.jp/winny/honke/index3.html+Winny+DOM%E3%80%80%E8%BB%A2%E9%80%81&hl=ja
http://www.nan.sakura.ne.jp/winny/page/winny_info.htm
皮肉に言えば、京都府警の捜査員が発信源を解明しようとWinny
を稼動させた時点で、様々な犯罪を助長していることにもなるわけ
である。
<参考>逮捕に言及した「47氏」名(本人かどうかは不明)の書
き込み
http://winny.info/2ch/47.html
■<著作権含むけどそれと知らない人が単にデータを中継しただけ
でもつかまるってのなら逮捕可能かもしれないけど、それってルー
ター使ってたらタイーホと同じなわけで、システム使ってるだけで
無条件で逮捕可能にしないと、捕まえられんだろう。>
■<とりあえず平気でしょう。開発途中のソフトの話しただけで捕
まるはずないし、公開しても作者の逮捕は無理かと。ファイル交換
ソフト作成で逮捕された例なんてないはずだし、公開後に個人情報
を特定されるだけなら痛くも痒くもないなー。
逆に売名行為になっていいかも(w>
■ソフト公開で逮捕というとFLMASKの例があるから絶対無いともい
えんけど、その前にトンズラできると思うなぁ。
初めは目立たない WEB上でひっそりやって目立ってきたら自分で作
ったワールド内に逃げればいいと思われ。
広まるほどの完成度に達すれば逃げられるし、達しなければ捕まる
ことも無いという二重の安全策(w
あとMXでの公開の方が絶対危険だよね。
あれ珍しいファイルだと提供者のIPが一発でばれるし。
■あと作者の法的責任に関しては、情報公開を要請されるとか公開
停止程度の勧告はありえますが、逮捕というのはまずありえないだ
ろうと考えています。
■しかし、皆さんボランティアや強制でやっているわけでもないの
で、何らかの見返りがないと回線を開けっ放しにはしません。そも
そも他人の足場にされて回線開放で逮捕などは論外ですので、匿名
性の確保は最低限。あとは、そのソフトを起動しっぱなしにさせる
ことができればいいわけですが、Winny では勝手にキャッシュに溜
まるというのを理由にして UP回線を開放させたままにさせるわけ
です。
■ノード情報から逮捕につながる可能性もあります。
5.感想
証言者の警察官が、尋問中、「他の刑事事件に関する言及は避け
たい」などと繰り返していた際に、楢崎裁判官は何度も力強く頷い
ていた。開廷から30分を経過したあたり(「被参照量」に関する
件の辺)からは、頬杖をついて弁護人の質問を聞いていた(被参照
量の如何は被害総額の算定に関わる問題だから、決して瑣末な問題
ではない)。そのほか弁護人に対する態度は総じて冷ややかだった
。有体に言って、最初から結論が出ているという印象は拭えず、わ
ざわざ京都まで出向いた筆者としては興ざめである。
7日の公判の傍聴者は私服の警察官も含めて約25名(傍聴席は
44席)。思っていた以上の数の捜査員が紛れ込んでいた。閉廷後
、証言者も混じった一団が「これから飲みに行こか」などと軽口を
叩いていたので、きっと楽勝モードなんだろう。
とはいえ、PC3台の模擬実験は余りにもお粗末で、検察側の尋
問も大雑把。それでも裁判で通用してしまうのは、特に本件に限っ
たことでもないにしても、技術的にも法的にも様々な問題を孕んで
いるはずだから、もう少し中身のある、徹底した審理を望みたいも
のである。
帰りは京都地裁からJR京都駅まで烏丸通りを30分ほど歩いた。
往復の車中では、前日ブックオフで買った『グロテスク』(桐野夏
生著)に没頭して、退屈することもなかったが・・・。
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