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さきほどフジTVの報道2001で、次期都立大学学長に就任予定の西澤潤一氏が出ていた。学長就任は都知事石原慎太郎の要請らしい。その他のゲスト出演は中曽根康弘大勲位だった。
考える力
現場主義を貫け
素心知困
をキーワードに説明していた。「素心知困」と言うのは、人間愛と「自分がほんとうに何がしたいのか」を知りそれを実現する手段を求めることだそうだ。
中曽根康弘なども盛んに持ち上げていたが、中でも旧制高校の自由な雰囲気を取り入れて欲しいと言っていた。旧制高校の自由な雰囲気もそれなりの良さはあったのだろう。しかし、常連ゲストの電波芸者竹村健一が「私は最後の旧制高校生でした。」と言ったときには笑ってしまった。
これから、「情報」がすべての土台のキーワードとしてますます重要になってくる。中曽根にしろ、石原にしろ眼の付け所はいい。"取り込もうと"必死ですね。(笑)
以下、Googleで探した、次期都立大学学長に就任予定の西澤潤一氏のインタビュー記事。
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インタビュー 岩手県立大学学長 西澤潤一氏(前編) 独創的な技術は日々の仕事の中から生まれるITエンジニアに必要なこと
http://ex.nikkeibp.co.jp/jobnews/int/i20011022_1.shtml
IT技術者はこれからどんなスタンスで仕事に臨んだらよいのか。また技術者を育てる教育のあり方とは。光通信の発案など創造性の高い技術を開発してきた西澤潤一氏にインタビュー。幅広い見地から語っていただいた。
Q IT化、IT産業の現状について、どのように考えていますか。
このところ、「ITはおしまいだ」などといった言い方を耳にすることがある。しかし私は「ITはまだまだ始まったばかりだ」と考えている。
時期的に区分してこれまでのIT化、IT産業の発展の流れを「第1波」とすれば、最近伝えられるITの不況はこの「第1波」が終わった、ということだろう。しかしやがて「第2波」が始まる。これは、情報、通信が発展してきた流れから見て、当然のことだ。ITにはできることがまだまだたくさんあるのだ。
それにしてもITの「第1波」はなぜ終わってしまったのか。私はその理由の1つを光ファイバー網やITをめぐる規格など、いわば「本元」といえるものの状況と、パソコンなどの「端末」の状況とがアンバランスなためではないか、と考えている。「端末」の発展に対して「本元」がぜんぜん追いついていないため、IT化の「第1波」がいったん、おさまりつつあるのではないだろうか。
Q 特に日本の場合、IT産業にどのような課題があるのでしょうか。
ほかの産業についても言えることだが、日本の技術はITの分野でも米国などの後追いになってしまっている。モノマネばかりで創造性がないことは大きな課題だ。とにかく、ここを何とかしなければならないだろう。
こうした状況があるにもかかわらず、一方でこのところ企業でリストラが進められており、研究開発部門にいる社員のリストラも進んでしまっている。今こそ、日本では技術的な特徴を持った製品で勝負しなければならないはずなのに。私は非常に心配している。モノづくりそのものについて、本当に考えなければならない。
Q 技術者はこれからどんなスタンスが必要なのでしょうか。
「自分がほんとうに何がしたいのか」について、しっかりと考えなければならない。これはもちろん、「どんな会社に入りたいのか」ではなく、「どんな技術を身につけたいのか」についてということだ。そして、その技術を日々、積み上げていくことだ。
転職について言えば技術者が転職をする場合には、それまで身につけてきた技術を活かす方向で考えることだ。
私は転職すること自体について、別に悪いことだと考えていない。しかしあまり簡単に転職を繰り返すのはよくないと思う。転職を考えるならば、それまでにしっかりとした技術を身につけることが必要だ。
【日経BPエキスパート】
インタビュー 岩手県立大学学長 西澤潤一氏(前編) 独創的な技術は日々の仕事の中から生まれるITエンジニアに必要なこと
http://ex.nikkeibp.co.jp/jobnews/int/i20011029_1.shtml
Q 技術者はどのようにして、自分を磨いたらよいのでしょうか。
そもそも私はITの技術者を理系と文系の間にあるものではないか、と考えている。ITの技術者にとって基本的なIT技術はもちろん必要な要素だが、顧客の具体的な要望をくみ取るなどの要素も非常に大きいからだ。
そしてITを使って日々、仕事をしていく中で、自分の技術を高めていくことが重要だ。こうした中でこそ、新しい技術も生まれてくるだろう。ITに限らないことだが、技術を「実学」と「研究」などといった形で分けて考える必要はない。仕事を通じて技術を磨き、飛躍させることができるのだ。
Q 「光通信」「半導体」などの分野で多くの独創的な成果を挙げてこられました。
私の場合、教育によるところが大きいと思う。これは、1つにはかつての旧制高校の教育を受けたということだ。戦前の日本の研究は独創性が高く、非常にすぐれたものだったが、これは旧制高校のよさによるものではないかと思う。自由にさまざまなことを考える時間があったのは、非常によいことだった。さらに言えば、私が学んだ東北大学は、独創的な研究を生もうという伝統、風土があったのも大きかった。
これに対して最近の教育では、教えられたこと、覚えたことに対して同じように対応することができるだけだ。独創性を生むことはできない。
Q 現在、岩手県立大学の学長として活動されています。
教育にあたって特に感じているのは、人間性をいかに高めるか、ということ。これに関して、私は「素心知困」と言っている。これは私が考えた言葉で、「自分自身を知って、本当にしたいことが何なのか。とことん自分を問いつめて、本当の自分を知る」といった意味だ。
IT関連では岩手県立大学でも2つの学部を置いている。1つは、ソフトウェア情報学部で、コンピュータを社会に入れるために「使い方」を教えている。もう1つは総合政策学部で環境問題や行政など文系と理系の間の課題について、定量化して研究することを目指している。
Q 多くのIT企業が東京などに集中するなど、IT分野でも大都市集中の傾向が目立つますが。
産業に大きな影響を与えた技術イノベーションには、蒸気機関、電気関連のネットワーク、自動車などが挙げられるだろう。しかし、蒸気機関は英国の中でもスコットランド、電気と自動車はまだまだ開発途上にあった時代の米国でそれぞれ生まれた技術だ。
恵まれざる土地の方でこそ、大きなイノベーションが出ているのだ。「不便だなあ」と思うからこそ、大きなイノベーションが出てくる。ITについても同じことが言えるのではないか。だからこそ、これからいっそう教育が重要になるのだ。
【日経BPエキスパート】
西澤潤一 (にしざわじゅんいち)氏
1926年生まれ。48年東北大学工学部卒業。同大で教授、電気通信研究所長、総長を経て現在、同大名誉教授。98年4月から岩手県立大学学長。半導体の研究開発、光通信の発案などで世界的に知られる。文化勲章、日本学士院賞、エジソンメダルなどを受賞。著書に「闘う独創技術」など多数。