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連載【IT奔流】(3)盗聴・尾行用に改造【読売】昔の盗聴器は弱電波で近距離必須。改造携帯でなら超遠方からでも盗聴可(^^;
http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/012/20040324fe01.htm
「調査に不可欠」 違法承知で使用
九州にある小さな無線機器販売店に、新品同様のプリペイド式携帯電話が箱積みしてあった。3000円分の通話カードが付いて、3万8000―3万6000円。割高なのに“ヒット商品”になっているのは、改造した「盗聴プリケイ」だからだ。
着信音が出ないように内蔵スピーカーを外し、代わりにマイクを埋め込んである。画面表示も振動もなく、静かに着信するため、外から電話をかけるだけで、ケータイを置いた家や車内での会話が筒抜け。電波が弱い無線式盗聴器のように100メートル以内に近づいて受信する必要もない。
「手作りなので量産できないが、2年間で5、600個は売れた」と店主の男性(55)は話す。
こうした改造ケータイの使用に対し、携帯電話各社の見解はまちまちで、「電波法に違反する。見つければすぐ総務省に通報する」(NTTドコモ)、「電波の出力を変えなければ違法ではない」(KDDI)、「電気通信事業法違反にあたる」(ボーダフォン)。ただ、各社とも「発見例はない」と口をそろえた。
総務省によると、改造ケータイは「違法無線局」で、使用すれば電波法に違反する。市販のケータイはすべて「技術基準適合証明」を取得しており、外装を含めて何らかの加工を施した後、再び証明を取らずに電源を入れれば、無線局の違法開設とみなされる。
ただ、実際に使用されても、電波の出力を変えているわけではないので、携帯電話会社側で改造を察知できない。だから「見つからない」まま、持ち主不明の改造ケータイが秘密の会話を飛ばし続けている。
関東にある調査会社。「システム部」と呼ばれるマンションの一室には、いくつもの解体されたケータイが転がっていた。仕事に使いやすいように改造を加えるため、いろいろ試行錯誤した後の“残がい”だ。
家族の協力を得て、尾行を依頼された人が持つケータイを1度預かる。位置情報を外から取得する際、ケータイの画面に表示が出ない設定に変えて再び渡すこともあり、こうした改造を社内では「機種変」と呼ぶ。「探偵が体力勝負で尾行したのは昔の話。今はこうした技術がないと業界では生き残れない」。システム部の責任者は語る。
同社の事務所では、男性調査員がパソコン画面を見ながら、一定時間おきにクリックしていた。依頼者は若い娘を持つ母親。定職を持たない娘の行動を2週間、調べてほしいという。母親の協力を得て、娘の持ち歩くブランドバッグの底には、カバーを外した「改造ケータイ」が仕込んである。
追跡に使うGPSケータイは、中の基板部分だけを利用することが多い。緩衝材に包んでもわずか4センチ四方と小さく、革靴のかかとに仕込む時もある。黒いプラスチックケースに収め、磁石で車の下にはり付ける使い方もある。
今回の調査は、直接尾行せず、「異変」のあった時だけ急行する契約だ。調査員代わりの小さな「改造ケータイ」が力を発揮し、娘の1日の動きが、パソコン画面上に赤い線で示される。この日は家を出て電車に乗り、乗換駅近くのデパート内を歩き回っていた。
調査会社の役員は「改造ケータイを使うことは違法だと分かっている」と認めた上で、「調査員を効率よく配置し、尾行の失敗を減らすには、GPSケータイが欠かせない時代になった」と打ち明けた。
技術基準適合証明 市販されているケータイは電波法の「技術基準適合証明」を受けた無線局にあたる。電池を外した部分に張ってあるシールの「〒」に似たマークがその証し。そばの「T」は電気通信事業法の、「R」は電波法のそれぞれ認証番号。メーカーなどは新機種の発売前、外観やスピーカーなどを含めた詳細な図を総務省などに提出しており、異なる部品を付けると「改造」になる。
(2004/3/24 読売新聞 無断転載禁止)