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2003年度は、中国国内の CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)ソリューションサービスを提供するベンダーにとって非常に厳しい一年となった。毎年、ベンダー同士の営業合戦が本格化し受注量が増えてくる5月には、SARS(重症急性呼吸器症候群)の猛威が吹き荒れ、CRM 市場のみならずソフト業界全体に甚大な打撃を与えた。
SARS が去った後も、CRM 市場は低迷を続けた。最も深刻な打撃を受けたのは、CRM ソリューションに特化しているベンダーである。ある中国国内のビジネス紙が報じた報道によると、これらのベンダー企業においては、社員に対する給与カットが相次いでおり、優秀な社員のジョブホッピングによる人材流動が起こっているという。
CRM という概念が正式に中国に紹介されたのは1997年であった。その後、2000年から2001年にかけてが、中国国内の大会社による CRM ソリューション導入の最初のピークとなった。パソコンメーカーの 聯想 (現レノボ)や各大手ポータルサイトが、高価な CRM システムを次々と採用したというニュースが業界を騒がせたのもこの時期である。
2002年度には PeopleSoft、Onyx、金蝶ソフト、用友ソフト、ターボ、SIBEL 等の大手が中国 CRM 市場へ本格参入することが決まり、多くのメディアが2003年度の CRM 市場に対する期待を表明した。当時、厳冬の到来を予測しえたのはごく一部の専門家だけであった。
2003年度の中国 CRM 市場の急速な冷え込みの原因は、SARS だけに求められるものではない。そもそも、概念そのものの普及が他の先進諸国に比べて極端に遅れている。
2003年、中国建設銀行、杉杉グループなど CRM システムの潜在ユーザー30社のIT担当者に対して、賽迪顧問リサーチが行ったアンケート調査によると、CRM ソフトについて「よく理解している」「理解している」と答えた担当者はわずか24%にすぎない。これに比べて「よく分からない」「全く分からない」と回答している担当者が実に40%に達している。
こうした状況の中、業界全体を襲った被害を最小限にとどめることに成功したのは、用友ソフトや金蝶ソフトなど、トータルソリューションを提供するタイプのベンダーである。これらのベンダーは、得意分野の会計ソフトや ERP システムの市場において比較的安定した業績を残しており、やがて来るであろう CRM 市場の急激な成長に備えて準備を整えている。
[3月22日(月)9時18分]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040322-00000001-inet-sci