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漢字異体字を欧米OSでも…トロン坂村教授開発
国産基本ソフト(OS)トロンを推進している坂村健東大教授は10日、人名や地名、文学作品などで用いられる漢字の異体字を、ウィンドウズやマッキントッシュなど欧米のOS上で自動表示する技術を開発したと発表した。
印刷、出版業界では異体字をウィンドウズなどの機器で処理する際、手作業で外字リストの作成や校正を行う手間があったが、「新技術で大幅な省力化が可能になり、大手企業で年間数億円規模のコスト削減が可能」(坂村教授)という。
標準文字にない外字にそれぞれ識別番号を付けた文字コード(トロンコード)のデータベースを活用。専用の外字変換サーバーを使い、必要な文字をデータベースから検索して表示する仕組み。データベースや専用サーバーは無償で公開する。
トロンOS「超漢字」などは、異体字のほか中国などで使われる漢字を含めて既に計17万の漢字が表示できる。
これに対し、欧米のOSはアルファベットを基本に設計され、日本の大漢和辞典で約5万もある漢字を収納できない。このため、文字数の多いアジア諸国の言語に適していないとの批判もある。
新技術は自治体や企業合併の際、外字データを整理統合するケースなどでも有効だという。年内には個人でも利用できるようになる見込み。
ZAKZAK 2004/03/11