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(回答先: 脳への影響が知りたい 投稿者 エンセン 日時 2004 年 2 月 24 日 18:33:29)
エンセンさん初めまして。精神科医の開いているサイト医学都市伝説http://www.med-legend.com/index.htmlにリタリンの記事がありました(ゆで蛙や薬関連もあります)。以下タイトルの記事です。
http://www.med-legend.com/column/etc7.html#ritalin_prevent_addiction
--------コピペ開始--------
ロイターの報道によれば、12月中旬に発刊される"Biological Psychiatry"において、小児期からのリタリン投与は、脳機能に対して長期の影響を及ぼすことが示された論文が一度に3本掲載されるとのこと。
肝腎の"Biological Psychiatry"のサイトhttp://www-east.elsevier.com/bps/をみても、その中のメインとなる論文は予定稿としても触れられていないのだが、ロイター報道によれば、それはハーバード大医学部のW.カールゾンのグループによるラットを使った研究であるようだ。(判りにくいリンクをたどり、やっと見つけたのがこちら[リンクは下の**])
カールゾンらは、幼若ラットを2群にわけ、人間の思春期に当たる期間、一方にはリタリンを、もう一方には食塩水を注射した。そして、ラットが成熟した後、「獲得性無力」の評価をおこなった。これは、ストレス下で課題を断念する程度を調べるものらしい。えさにたどり着く迷路に電気ショックでも流すようにしておいて、その粘りと頑張りをみるようなものですかな(と思ったら、無理やり泳がせて、あきらめて溺れるまでの時間を計るというものだった。こんなテストに付き合わされるラットはお気の毒)。
その結果、成長期にリタリンを投与された群の「獲得性無力」は明らかに増加していた。コンジョなしネズミに成り果てていたということらしい。これは抑うつ傾向に陥っていることを示しているとカールゾンらは主張している。
もっとも興味ある所見は、リタリンを与えられていたラットは、コカインが含まれた餌を好まなくなる傾向があるということだという。ラットは一般的にコカインが好きらしく、これを褒賞刺激にできるらしいのだが、成長期にリタリンを与えられていると欲しがらなくなるそうな。ほかの二つの研究もそれぞれ、早期のリタリン摂取が全般的な褒賞刺激への反応低下をもたらすことと、ドーパミン系ニューロンの反応性変化が起こることを主張している。
もちろん、この研究は成長期のリタリンは、今まで考えられていた以上に、脳に長期間の影響を与えるということをいいたいのであって、子どものときからリタリンを与えておけばコカイン嗜癖になるのを防げるということを実証しようという意図ではじめられたものではない。(でも、この思いがけない結果は、もっと別の視点での研究展開を可能にするような気もするが)
一部マスコミがいうようなリタリン排斥の理由の一つが、リタリンはコカインをはじめとする、ハードドラッグ嗜癖への入り口になるというものだったわけで、それを判りやすく示そうとしたら、えらく思いがけず逆の結果が出たというものではないかと想像する。大体、中枢神経系が完成されるのがかなりおそい人間と、生後短時間で交尾まで可能になるラットを一緒くたにするような、えらく大雑把な実験計画で、一般的な薬物への不安に乗っかった安易なものだったが、そんなに問題は単純ではないのがわかったというところか。
「小児ー思春期の脳の神経化学と機能的特徴や、精神刺激剤が脳の発達に及ぼす影響について、いかに我々の知識が限られているかを、これらの研究は思い起こさせてくれる」というコメントが専門家によって寄せられているが、まこと、正直な感慨といえる。少なくとも、一方的に一つの薬を悪者にしておけばすむような問題ではないので、毎日新聞の山本紀子記者とか、アホなジャーナリストをあおっている一部の精神科医は、虚心に元論文に当たって熟考して欲しいものだ。
私は原著読むために本登録する金出すのがもったいないので、こういう報道とか抜粋で我慢しておきますけど。(2003/12/09)
*その後、読者から掲示板で教えていただき、著者のサイトから直接元論文を参照できる道筋がついた。先達はあらま欲しきものなり、である。
--------コピペ終了--------