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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040917i311.htm
脳こうそくで壊れた神経組織を、血管のもとになる幹細胞を移植することで再生させ、機能も回復させることに、田口明彦・国立循環器病センター脳循環研究室長と松山知弘・兵庫医大講師らが動物実験で成功した。脳こうそくの新しい治療法となる可能性があり、研究グループは来年にも臨床試験を始める予定だ。
脳こうそくは、脳の血管に詰まった血栓を発症から3―6時間以内に薬物治療で溶かさないと、血流の途絶えた神経細胞が死滅し、回復が難しい。再生治療の試みでは、神経の幹細胞などを移植する実験が行われているが、組織に生着しなかったり、機能しなかったりして成功していない。
グループは、血管のもとになる「血管内皮前駆細胞」や血管の成長を促す物質を多く含む幹細胞を、赤ちゃんのへその緒にある臍帯血(さいたいけつ)から採取。脳こうそくを起こさせたマウスの静脈に注射した。
すると、血管も神経組織も完全に死んでいた患部に幹細胞が集まり、血管を再生し始め、委縮していた組織の大きさも回復した。4週間後には、昼間動き回る、音に極端に反応するといった脳こうそくの後遺症に見られる異常行動が減るなど、機能が改善した。脳の他の部位にあった神経幹細胞が患部に集まり、新しい血管から栄養を補給されて神経組織を作っていた。
同じ種類の幹細胞は骨髄にもあり、患者自身の骨髄を使えば、拒絶反応を起こさない治療ができる。グループは今後、サルの骨髄で効果と安全性を確認する。
田口室長は「脳神経の再生には血管の再生が欠かせないことがわかった。この幹細胞を使えば、現在、発症直後にしか処置できない脳こうそくを、時間がたっても治療できるようになる」と話している。
(2004/9/17/17:19 読売新聞 無断転載禁止)