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ゴルフ、テニスのこむらがえりに芍薬甘草湯
10分と経たないうちに、うそのように症状が消えてた楽になる
「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)はゴルフ行くときの必需品だよ」。ある病院の医者から聞いた話である。この医者は、以前プレー中に“こむらがえり”になったとき、たまたま同じ組で回っていた医者がこの漢方薬を持っていて救われ、それ以来、コースに出るときには芍薬甘草湯を持ち歩くようになったという。
経験した人であれば、あの激しい痛みを思い出すのもいやだろう。こむらがえりは突然始まる激痛を伴う筋肉のけいれんで、いつでも誰にでも起こり得る。最もよくみられるのが、ふくらはぎの筋肉が突っ張っておこる痛み、いわゆる「足がつる」という症状だ。日頃から疲労がたまり運動不足のときなどには起きやすく、しかも困ったことに、一度起きると、くせになってすぐにつりやすくなる。忙しい現代人には“つりぐせ”に悩んでいる人は意外に多い。
特に発症しやすいのはゴルフ、テニスなどのプレー中や運動を終えた後だ。水泳中や睡眠中に起こることもある。そんなとき、芍薬甘草湯を飲むと、10分と経たないうちにうそのように症状が消えて楽になる。
飲めばたちまち杖要らず
西洋医学では局所の筋肉の緊張状態や筋肉のけいれんを改善させる筋弛緩薬(きんしかんやく)が使われる。ビタミンEやカルシウム、マグネシウムのサプリメントを飲むと起きにくくなるとされるが、即効性はない。
芍薬甘草湯は漢方の古典書に「発汗が過多ののち、邪気が内に迫って筋肉の拘急、腰脚の攣急などが出たときに攣急や疼痛を緩解させる目的で頓服として用いる」と記されており、まさに“こむらがえり”の症状にあてはまる。症状が激しいときにも、飲むとたちまち杖が要らなくなることから、別名、「去杖湯(きょじょうとう)」ともいうのも納得できる。
処方は非常にシンプルで、その名の通り芍薬(しゃくやく)と甘草(かんぞう)の二種類の生薬でつくられている。芍薬は中国北部で採れるボタン科の多年草の根で、西洋でも古くから薬用植物として知られていた。甘草は漢方薬の処方のなかで、もっともよく使われるマメ科の多年草で、甘味料としても使われるほど甘みが強いため甘草の名が付いている。成分に抗炎症作用があるグリチルリチンのほかにステロイドに似た作用がある物質も含まれている。
芍薬甘草湯は、筋肉の痛みだけでなく、腹痛にも効果があるほか、糖尿病、肝硬変などの病気が原因でおこる“こむらがえり”にも、ほとんどが短期間の服用で効果が出る。ただし、甘草を大量に服用するとむくみが出たり、血圧上昇などの症状がでるアルドステロン症になるため長期服用は注意が要る。
芍薬甘草湯は、スポーツの必携薬かもしれない。
(天野 宏=医療ジャーナリスト)
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こむらがえり
筋肉が急激に硬く緊張して緩められなくなった状態で、激しい痛みを伴う。骨と骨の間の隙間が伸びたときに起こるとも、スポーツで筋肉に乳酸が溜まると起こるともいわれているが、本当の発症メカニズムは解明されていない。脱水や妊娠中、薬の副作用などで起こることもある。温めながら軽くマッサージすると症状を和らげる効果がある。冷却や強いストレッチは逆効果。
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