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「米国の優秀な医学生に人気の高い診療科はどこだと思う?」。知り合いの内科医から、こんな質問をされて困った。「眼科だよ。眼科」
日本でも労働条件の良さなどから眼科が人気のようだが、彼の説明でアメリカならではと思ったのは、高額の賠償を求められる可能性が低いからという理由だった。別の医師も同じ見方。彼らの話に共通するのは、訴訟が医師の仕事に大きな影響を与えているという点だ。
「アメリカ医療は崩壊しつつある!」。子供のかかりつけの病院で、こんな見出しの冊子を見つけた。アメリカ医師会が作成したもので、医療過誤を恐れるあまり、医師たちは新しい治療や薬の使用に二の足を踏んでいるという。
多額の賠償責任を負うことが多い産婦人科医は、医療過誤保険の保険料が年間21000万円以上という場合もあり、負担に耐えきれず廃業する医師もいる。昨年10月7日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、危機感を強めた医師たちは、賠償額に上限を設ける法律の創設を連邦議会に働きかけている。
あるベテランの家庭医が、自衛策を明かしてくれた。手術をする際、“書類攻め”で治療への同意を確認することはもちろん、手術を受けない場合でも、医師の指示に従わないことを宣言する書面に署名してもらうのだ。「これがあれば、症状の悪化した患者が後日、私を訴えても、自分に責任がないことを法廷で証明できるから」
「エネルギーの半分は、患者ではなく、自衛のために使っている」とベテラン医師。別の内科医は「弁護士並みに法律も勉強している。だが、一生懸命治療しても訴えられると、やる気がうせる」と話す。
「救急車の追っかけ野郎」。口の悪い医師たちは、訴訟のネタを求めて奔走する弁護士を、こう呼んで批判する。「訴訟好きが多い」とされるニューヨークという土地柄もあるうえ、弁護士が訴訟をあおっている面もあるのだろう。
「インフォームド・コンセント(十分な説明にもとづく同意)」など、アメリカ医療と言えば、「患者本位の医療」を連想していた。だが、医師から見れば、患者への説明責任は、訴訟国家で仕事を続けていくうえで必要な「自衛策」でもある。そんな思いを強くした。(大津 和夫)
(前回は7月13日に掲載しました)
(2004年8月24日 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/memo_random/20040824sq61.htm
確かに、医師が頭を垂れねばならないミスや、悪事もあるだろう。しかし、多忙を極める状況ではミスも出やすい。ほとんど徹夜の救急外来翌日、何十人も外来診たり、当直で死の一歩手前の急患が同時に3人とか受診したり、専門外の急患が行列で来院して、冷や汗を流した経験は医師なら誰でもあるだろう。
いわば、忙しすぎる時の医師の一挙手一動作を、訴えようとして観察され、揚げ足を取られ、訴えられる事は、医師の最も弱みである。
これにつけ込まれたら、多分敗訴するに違いない。
逆に言えば、俺俺サギなんかより、ずっとウマミのある「合法的な儲け」ができるのである。(だからと言ってしないで下さい)
日本は、こうはなって欲しくない。