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米の医療 「皆保険」導入に大きな壁
昨年12月、留学のため滞在していた米ニューヨーク市郊外の自宅で、ベッドではしゃいでいた5歳の二男が着地に失敗。腕を複雑骨折して、休日の緊急救命室で緊急手術を受けた。手術は成功し、半日で退院できたが、後日、自宅に届いた請求書を見て驚いた。
総額で何と約60万円。病院の施設使用料(約40万円)、医師の技術料(約15万円)などが内訳だ。幸い民間保険に加入しており、自己負担は生じなかったが、「もしも保険に入っていなかったら」――そう考えると、ゾッとした。
「保険に未加入だと告げると手術を拒否された」「高い医療費が怖くて病院に行けない」。研究に関連した野外調査で、医療問題に取り組むニューヨーク市内の非営利団体を訪ねると、このような相談事例を教えてくれた。応対してくれた団体の代表は、こう付け加えた。「つまり、アメリカで医療は“特権”なのです」
2002年の米国勢調査によると、「無保険者」は、全米で約4300万人、人口の15%もいる。国民全員をカバーする医療保険制度がないためだ。無保険者問題は深刻な社会問題で、ニューヨーク・タイムズ紙やCNNなど主要メディアでも盛んに報道されていた。
「日本のように、国民全体をカバーする皆保険制度を導入すれば……」との思いを強くしたものの、内情は複雑のようだ。
資料を探しにニューヨーク市役所に行くと、無保険者問題専門の部署があった。そこの担当者によると、皆保険だと政府の介入が大きくなり、現行制度で恩恵を受けている医師や保険会社が毛嫌いしているという。指導教授を含め多くの人に意見を聞いたが、皆保険制度は無理との見方が大勢だった。
実際、皆保険の試みは、クリントン前政権でも頓挫している。最近では、「社員を保険に加入させない雇用主に罰金税の導入を」(1月13日のニューヨーク・タイムズ)など、医療職関係の労組からユニークな提案も出たが、広がりを欠いた。
「市場原理の結果、世界一の医療技術と言われる“光”を生んだ。多少の“陰”は仕方がない……」。そんな学生の言葉が心に重く響いた。
◎
2003年6月から1年間、米コロンビア大大学院で、客員研究員として社会保障を勉強した。現地での体験でかいま見たアメリカ型社会保障の限界を報告する。(大津 和夫)
(2004年7月13日 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/memo_random/20040713sq61.htm
つまり、日本はわざわざ、アメリカが目指すものを持って居ながら、アメリカが脱却したいものを目指してる?
すなわち、医療財源削減と保険会社の為に美辞麗句を並べて、混合診療へ向かってる様である。