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http://www.asahi.com/science/update/0827/003.html
人に強い感染力を持つ「新型インフルエンザ」の出現に備え厚生労働省が備蓄の準備を進める抗ウイルス薬のオセルタミビル(商品名タミフル)について、この薬を使った子どもの2割で薬の効かない耐性ウイルスが見つかった。東京大学医科学研究所やけいゆう病院(横浜市)などのグループが28日発行の英医学誌ランセットに結果を発表する。
02〜03年、発熱などで同病院を含む神奈川県内の4病院を受診し、検査キットでインフルエンザと診断された0〜13歳の50人を対象に調べた。タミフルを飲む前と後とで、のどや鼻の粘膜から採取したウイルスを見たところ、18%に当たる9人から遺伝子の変異が見つかり、タミフルが効きにくくなっていることが実験で確認された。
9人は2〜7日で熱が下がったが、その後も体内にウイルスが長くとどまっている傾向が強かったという。治療期間に体内で耐性ウイルスが生まれたとみられる。この耐性ウイルスが人から人へ感染すれば、タミフルが効かない恐れがある。
耐性ウイルスができる割合はこれまで大人で0.4〜1%、子どもで4%程度とされ、鳥インフルエンザの流行などで出現が心配される新型インフルエンザに対してもタミフルは効果があるとされる。
分析をした東大医科研の河岡義裕教授は「新型インフルエンザに対しては、だれもが免疫がなく、耐性ウイルスができやすいといえる。タミフルの使用に際しては、耐性ウイルスの監視が重要だ」と話している。
論文は4月に日本感染症学会で報告したデータなどをもとにまとめた。
(08/27 17:50)