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http://www.asahi.com/national/update/0821/012.html
国内で流行すると4人に1人が感染し最悪で約17万人が死亡するとの試算もある新型インフルエンザ対策として、厚生労働省は、「特効薬」とされるオセルタミビル(商品名・タミフル)を国と都道府県で計1千万人分を国家備蓄する方針を固めた。製薬会社の調達分と合わせ、5年後には2500万人分を確保する。薬品の国家備蓄は例が少なく、同省は消極的だったが、鳥インフルエンザの発生などで緊急性があると判断した。
同省は昨秋から、10〜40年周期で出現する新型インフルエンザウイルス対策を、専門家による小委員会を設けて検討してきた。同委員会は、日本で流行した場合、最大約3200万人の感染者が出て、約2500万人が受診、何も処置をしなかった場合約17万人が死亡すると試算した。
このため、この薬を毎年200万人分ずつ積み増して5年後に1000万人分を備蓄する。使用期限が5年間のため、その後新しい薬と交換していく。国と都道府県の備蓄割合や量は、人口に応じて決める。国は国立の医療機関で、都道府県では、感染症患者を受け入れる拠点病院になる見込み。
02年から03年にかけてのシーズンでは、インフルエンザの流行でタミフルが不足、病院などで混乱が起きた。昨シーズンは同省の要望で約1500万人分が輸入されたが、現在、約700万人分が余っているという。
同薬は、スイスのロシュ社が製造、販売。日本では、01年2月に発売され、今年7月には、条件付きで予防薬の承認もされた。症状が出てから、48時間以内に飲むと効果があるとされる。輸入販売する中外製薬は今シーズン前には、昨シーズンと同規模の量を確保したいとしている。
同省などによると、01年9月、アメリカで発生した同時多発テロ事件を受け、生物化学兵器対策で天然痘ワクチンを備蓄したことがあるが、近年、大量の国家備蓄は例がないという。海外ではオーストラリアなども同様の方針を示しているという。 (08/21 19:10)