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学会除名の大谷医師ら、着床前診断を秋にも本格実施へ(読売、+朝日から2記事)
http://www.asyura2.com/0401/health8/msg/682.html
投稿者 ネオファイト 日時 2004 年 7 月 13 日 17:53:01:ihQQ4EJsQUa/w
 

学会除名の大谷医師ら、着床前診断を秋にも本格実施へ
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040710i212.htm
 受精卵の段階で病気の有無を調べる「着床前診断」を日本産科婦人科学会に無断で3例実施し、除名処分となった大谷産婦人科(神戸市)の大谷徹郎院長らが10日、名古屋市内で記者会見し、先進地の米国から専門家を迎え、今秋にも着床前診断を独自に始めることを明らかにした。

 着床前診断の是非を巡っては、学会が申請を受けた2例の扱いについて、倫理委員会を公開で開くなど関心が高まっており、今後論議を呼びそうだ。

 大谷院長はこの日、診断を希望している21組の夫婦ほか、学会規則に反して代理出産などを行った根津八紘・諏訪マタニティークリニック院長とともに、「着床前診断を推進する会」を発足。3000例以上の診断実績がある米エール大から招く専門家の指導のもと、大谷産婦人科内で診断を始める方針を明らかにした。

 大谷院長らと会を設立したのは、染色体異常のために流産を繰り返す習慣性流産の夫婦17組ほか、生まれてくる子供が筋緊張性ジストロフィーなど遺伝性の病気を発症する可能性がある4組。大谷院長は、個々の事例を院内の倫理委員会で審議し、遺伝カウンセリングなどを行った上で診断するという。同会以外からの患者も、希望があれば受け入れる方針だ。

 大谷院長は「着床前診断はすでに世界中で臨床応用されており、日本でも世界レベルの医療を提供するのは医師の使命」と説明。学会が実施基準としている「重い遺伝病」の範囲についても、「病気の重さは患者が決めることだ」とし、独自の判断で診断していく考えを強調した。

 大谷院長らは今年5月、着床前診断を過度に規制するのは患者の権利を阻害しているとして、同学会を相手取り、診断の妨害禁止や除名処分の撤回などを求める訴訟を起こしている。
(2004/7/10/19:49 読売新聞 無断転載禁止)



神戸の医師が受精卵診断実施へ 技術者を米から招く方針
http://www.asahi.com/health/medical/OSK200407100017.html
流産を避けることなどを目的に受精卵診断(着床前診断)を実施することを、大谷産婦人科(神戸市)の大谷徹郎院長が10日発表し、実施のために実績のある技術者を米国から招く方針を明らかにした。非配偶者間の体外受精をして日本産科婦人科学会を除名され、2月に再入会した諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(やひろ)院長も共同実施を表明した。

 大谷院長と患者らは同日、「着床前診断を推進する会」を名古屋市で結成。シンポジウムと記者会見を開いて必要性を訴え、具体的な計画を明らかにした。

 説明によると、大谷産婦人科内に診断機器を導入し、受精卵診断を数百例以上実施した経験のある技術者を米エール大から招いて最新の技術を習得し、支援を受ける。根津院長の患者も大谷産婦人科で診断する。対象にするのは、習慣性流産のほか、遺伝的な病気のデュシェンヌ型筋ジストロフィーなどという。

 会結成後の記者会見には患者4組の夫が出席。1人は「流産を繰り返すたび妻の心は傷ついてきた。診断を受けることができたら、早い段階で心のケアをできたと思う。患者の心を救う治療をしてほしい」と訴えた。

 一方、シンポでは学会理事で学会に受精卵診断実施を申請している鈴森薫・名古屋市立大教授が発言を求め、大谷院長の実施計画を批判。学会が公開シンポジウムや公開倫理委員会を開いていることに触れ、「公の場で呼びかけ、手順を踏んで実施するべきだ」と患者らに呼びかけた。

 重い遺伝病に限って個別に審査して認めるとの指針(会告)を定めている同学会は、大谷院長の実施表明について、「コメントできない」としている。

 受精卵診断に反対している市民団体「優生思想を問うネットワーク」の矢野恵子代表は「事情があって希望されているのだろうが、通常の医療とは違う問題があり、医者と希望者だけでやっていい問題ではない。社会的論議のないまま既成事実になってしまうのが心配だ」と批判している。 (2004/07/11)



受精卵診断で神戸の大谷院長らが産科婦人科学会を提訴へ
http://www.asahi.com/edu/kosodate/OSK200405140036.html
 日本産科婦人科学会に無断で受精卵診断を実施して同学会を除名された大谷産婦人科(神戸市)の大谷徹郎院長が、同学会を相手取り、診断を規制した学会会告(指針)の無効確認などを求める訴訟を5月末、東京地裁に起こすことが14日分かった。原告には診断を希望する患者や、同学会を除名されたことがある諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(やひろ)院長も名を連ねる。

 患者側から原告に加わるのは3組の夫婦。1組は遺伝性疾患に、2組は習慣性流産に悩んでいるという。根津院長はこのうち1組の主治医で、非配偶者間の体外受精をして同学会を除名されたことや、代理出産を実施したことがある。

 代理人の弁護士によると、患者には医療行為を選択する権利や、子どもを産む権利があり、憲法13条で幸福追求権が保障されているとしている。

 裁判では「産婦人科医の大部分が同学会に加入しており会告が事実上の社会ルールとなっている。会告は患者の幸福追求権を侵害している」などと主張し、(1)受精卵診断を受ける権利の侵害の差し止めと会告の無効確認(2)受精卵診断の機会を逃した患者らに対する損害賠償(3)大谷院長の除名処分の撤回などを求める方針。

 一方、同学会は4月に大谷院長を除名した際、「患者の要求があり技術的に可能でも、学会が倫理的、社会的見地から行ってはならない行為を定めるのは当然のことだ。幸福追求権には『公共の福祉に反しない限り』との制約がある」との見解を明らかにしている。

 98年に同学会が出した会告は、重い遺伝病に関する受精卵診断に限り、個別に審査して認めるとしている。これまで鹿児島大などから申請があったが、認めた例はない。

    ◇

〈キーワード:受精卵診断〉 体外受精した受精卵が数個の細胞に分裂した段階で、部分的に細胞を取って染色体や遺伝子を検査し、選んだ受精卵だけを着床させる。米国などでは遺伝性疾患を調べるためなどに臨床応用されている。受精卵を選択する手法を巡って「生命の選別が進む」との懸念もある。 (05/15)

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