天然痘研究の規制見直しを　治療薬開発へ科学者提言
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004071300029&genre=G1&area=Z10

　【ワシントン１２日共同】バイオテロ（生物兵器テロ）が懸念される天然痘に対する治療薬の早期開発には、世界保健機関（ＷＨＯ）による現行の研究規制の見直しが必要だとする提言を、ハーバード大など米国の著名な研究機関の科学者らが１２日、米科学アカデミー紀要に発表した。

　天然痘は１９８０年にＷＨＯが根絶を宣言。以来、米疾病対策センター（ＣＤＣ）とロシアのウイルス生物工学研究所のみがウイルス保管の公認機関とされ、他の研究機関はウイルスを扱えないなど、ＷＨＯは研究を厳しく制限してきた。

　だが旧ソ連がウイルスを大量培養していたとの指摘もあり、他の場所にもウイルスが存在する懸念は消えていない。
　科学者らは、治療薬開発への方策として、政府・製薬企業間の連携や国際協力など７項目を提言。その中でＷＨＯの研究規制問題を取り上げ、条件を満たした研究機関にウイルス使用を認めることや、現行では全面禁止されているウイルスの遺伝子操作を、治療薬候補の物質探しに特に有用な場合には許容することを検討すべきだとした。（共同通信）

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