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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040628-00000006-san-pol
狂犬病による死者が中国など東アジアで増加している。中国の死者は年間千人を超え、いったんは根絶した韓国では再発生し、昨年二人が死亡した。日本では昭和三十二(一九五七)年に根絶したが、ペットブームで犬の輸入が増加しているため、農水省はウイルス侵入を水際で防御する検疫強化を急いでいる。(有川貞治)
世界保健機関(WHO)によると、狂犬病による死者は、全世界で毎年三万五千−五万人に上る。うち、アジアが三万三千七十五人(一九九八年)と突出している。
中国の死者は二〇〇一年に八百五十四人、〇二年は千三人、昨年は九月末時点で約千三百人と急増。中国疾病対策予防センターでは、ペットの増加▽狂犬病の認識不足▽ワクチン接種率低下▽野犬の増加−を背景に挙げる。
韓国では一九八四年に根絶したが、九三年に北朝鮮との南北軍事境界線(休戦ライン)沿いで犬と牛に狂犬病が再発。九八年以降はほぼ毎年一−二人が死亡している。韓国の研究者は「狂犬病を発症したタヌキが休戦ラインから侵入したため」と指摘する。
韓国で流行を加速させたのは根絶後に犬のワクチン接種率が14%まで低下していたためだ。接種率が八割以上なら、その地域で流行を防げるという。
九三年に再発後、人に感染するまで五年かかったが、感染症の専門家は「この間に犬のワクチン接種を徹底していれば人への感染防御が可能だった」とみている。
一方、厚生労働省によると国内で登録されている約六百八万頭(平成十四年度)のワクチン接種率は77%。ただ、ペット業界の推計では未登録を含め一千万頭近くの犬がいるとされ、接種率は五割以下になる可能性もある。
狂犬病が根絶された地域は豪州、英国、台湾、ハワイなど主に島国や地域に限られるが、海外から狂犬病ウイルスが侵入する危険は常時ある。狂犬病の発生がなかったインドネシアのフローレス島では九七年に漁師、船員が持ち帰った三頭の犬から三年後には全島に流行し、計八十一人が死亡した。
日本の犬の輸入は増加傾向にあり、昨年だけで約一万七千頭。今後、輸入犬には予防接種を義務付けるが、生後三カ月未満の子犬はワクチンの接種効果が薄い。このため、農水省は国内へのウイルス上陸を水際で阻止するため、米国や中国など狂犬病発生の恐れのある国から、生後十−十一カ月未満の子犬を輸入しない方針を決めた。
具体的には輸入犬のワクチン接種は国内同様に、生後三カ月以上と規定。一−二カ月の間隔で二回接種した後に、輸入待機期間を現行の一カ月からウイルス潜伏期間とされる六カ月に延長するなどの省令改正を行う。
ずさんな輸入証明書に対応するため、輸入犬の皮下にマイクロチップを埋め込むように輸入業者に指導し、犬の個体識別で生産履歴の確認もする方針だ。
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≪狂犬病≫狂犬病ウイルスを保有する犬猫や、コウモリなどの野生動物にかまれたり、ひっかかれたりして発症する人獣共通感染症。ウイルスは世界中に分布し、犬に感受性が強いが、人を含めたすべての哺乳(ほにゅう)類に感染する。発症すると、100%死亡する。(産経新聞)
[6月28日2時35分更新]