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肥満大国の挑戦
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20040625k0000m070140000c.html
8年ほど前、ワシントンからニューヨークに異動になった。しばらくして体重が減り、すっきりしたのを覚えている。
理由は簡単。車を降りて、歩く生活に変わったからだ。街の構造が大きく影響している。
「車を毎日1時間運転するごとに肥満になる危険は6%増す。1キロ歩くごとに5%減る」。そんな調査結果をブリティッシュ・コロンビア大の研究者が発表した。いかにもという数字だが、車の運転と肥満の関係を科学的に裏付けたデータは初めてだそうだ。
クルマ社会の米国には少なからぬ衝撃が走っている。住宅地が郊外に広がるスプロール現象で、マイカー通勤の時間は増す一方。ショッピングモールでの買い物にも車は不可欠だ。ジャンクフードが肥満の原因というなら食べずに済むが、この国で車なしの生活を想像するのは難しい。最初からマイカーをあきらめるニューヨークのような都会は数少ない例外だ。
そんな折、住民が車から降りて歩くようにデザインした新しい街づくりがワシントン近郊で進められていると聞き、見に行った。農場跡に出現した街に入った途端、東京郊外の新興住宅地のような錯覚に襲われた。
広々とした歩道。家々から歩ける距離にショッピングセンターやレストラン、公園がある。ガレージは家の裏に隠れ、表通りには直接出られない構造。健康のため、とにかく歩いてもらおうという「狙い」が鮮明だ。
スクールバスをやめて子供たちを学校まで歩かせる運動も全米で拡大している。「肥満大国」で社会のシステムを変革する試みが、静かに始まっている。(北米総局・河野俊史)
毎日新聞 2004年6月25日 0時14分