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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040624-00000094-mai-soci
人間の受精卵(ヒト胚(はい))やヒトクローン胚を使う研究のあり方を検討していた総合科学技術会議生命倫理専門調査会(薬師寺泰蔵会長、21人)は23日、ヒトクローン胚作りを難病研究などに限って認めることを最終報告書に盛り込む方針を決めた。しかし、研究実施の条件を極めて厳しくしたため、事実上、すぐに研究に取り組める施設はない。委員の間には容認に反対する意見もあったが、会長の裁量で採決を強行した。
この日、薬師寺会長が示した「会長案」は「ヒトクローン胚研究は医学による福利を求める人々の希望に応えるため、臨床応用をしない基礎研究に限って、ヒトクローン胚の作成、利用に道を開く」としている。ただし、▽クローン人間を産み出さない防止措置▽胚の管理体制作り▽未受精卵入手の方法▽卵子提供女性の保護▽再生医療研究を進める意義についての科学的検証――などの各点について厳しい条件も盛り込んだ。
会長案を巡って出席15人(会長除く)の委員一人一人が意見を述べた後、薬師寺会長が挙手で採決。賛成多数で条件付き容認が決まった。
ヒトクローン胚は、未受精卵の核を体細胞の核に置き換えてつくる。臓器移植などが必要な患者の核を入れれば、拒絶反応のない組織や臓器を作れる可能性がある。
調査会では、「難病研究に有用で、厳しい条件付きで解禁すべき」などの推進意見と、「現時点では臨床応用が可能かどうか不明で、倫理的な問題も解決されていない」などの慎重論が平行線をたどっていた。
最終報告書の素案では、ヒトクローン胚はヒト胚と同様に「生命の萌芽(ほうが)」で作成は原則、許されないが、「人々の生命・健康や幸福のため、科学的に合理性があり、社会的にも妥当な場合は作成を認めざるを得ない」とした。
昨年12月の中間報告で容認した研究用のヒト胚作成については、不妊治療研究に限定する。中間報告は、先天性の難病研究についても認めたが、その後の議論で「現時点では具体的な利点が確認できない」とされた。研究の進展を見極めて改めて議論するとした。
同調査会は01年8月に発足、同法が見直しの期限とした今年6月を目指して議論を進めてきた。【江口一、永山悦子】
■ことば(ヒト胚とヒトクローン胚) 受精卵が分割を始めて、組織に分化するまでの時期を「胚」と呼ぶ。あらゆる組織や臓器に分化する能力があり、再生医療研究に使われている「ヒトES細胞」(ヒト胚性幹細胞)は、ヒト胚の内部の細胞を取り出して作る。「ヒトクローン胚」は、クローンを作りたい個体の体細胞の核を未受精卵の核と置き換えて作る。クローン胚からES細胞を作れば、拒絶反応がない組織や臓器が作れると期待される。いずれも人になる可能性があり「生命の萌芽」とされる。国はクローン人間作りを「クローン技術規制法」で禁止し、ヒトクローン胚の作成は同法の指針で禁じている。(毎日新聞)
[6月23日21時25分更新]