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障害厚生年金:PPS患者に支給認定 ポリオと別、新たな障害−−社保審が逆転裁決
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/medical/news/20040608dde001040009000c.html
生後半年でポリオ(脊髄(せきずい)性小児まひ)を発症し、40代後半に症状が悪化するポストポリオ症候群(PPS)になった東京都の男性(53)について、障害厚生年金の不支給を決めた社会保険庁の決定を社会保険審査会が取り消し、支給を認める裁決を出していたことが分かった。ポリオ発症時には厚生年金に加入していなかったとの理由で不支給としてきた社保庁はPPSに関する専門家の研究会を6月中にも設け、今秋までに対応を見直すことになった。
PPS患者の正確な人数は不明だが、最近10年間で、PPSのため約1万2000人が障害者になったと推定され、今後さらに増える可能性がある。
男性はポリオで右足に軽度のまひが残ったが日常生活に支障はなかった。74年、民間会社に就職し、厚生年金の被保険者資格を取得、通常に勤務した。だが96年ごろから左右のひざが痛み出し、97年9月、PPSと診断された。99年1月には左足が動かなくなるなど悪化。通勤が困難になり、02年4月、退職した。
同7月、社会保険事務所に障害厚生年金を請求したが「(PPSは)ポリオの障害の継続。ポリオ発症時は被保険者でなかった」と不支給になった。社会保険審査官への審査請求も認められず、昨年4月、社会保険審査会に再請求していた。
5月31日に出た裁決は、ポリオとPPSの因果関係は認める一方で、男性がポリオ発症後45年以上、格別の治療を受ける必要がなかったうえ、就職後の20年余りは健常者と変わらない生活を送っていたと指摘。障害厚生年金の支給を拒むのは「著しく妥当を欠く」と、PPSによる障害はポリオとは別の新たな障害だとの判断を示した。
男性は「社会保険事務所では書類を見ただけで支給は無理と言われたが、PPSはポリオとは明らかに別の障害。国は早くPPS患者の救済の道を開くべきだ」と話している。【玉木達也】
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■ことば
◇ポストポリオ症候群
乳幼児期にポリオにかかった患者が30〜50年後、新たに筋力の低下や萎縮(いしゅく)などを起こす2次障害の総称。ポリオのために減った運動神経細胞の疲労現象によって起きるとの見方が有力で、ポリオの再発ではなく、すべてのポリオ患者がなるわけではない。厚生労働省によると、ポリオ由来の身体障害者(推計)は91年度4万3000人だったが、01年度は5万5000人に増えた。この増加分はほぼPPSとみられている。
ポリオは少なくとも、1950年代から、生ワクチンが導入された61年まで、毎年1000人以上が発症。60年は年間5606人に達しており、ここ10年ほどがPPS患者のピークとみられる。
毎日新聞 2004年6月8日 東京夕刊