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(回答先: 自閉症の神話--「精神分析の諸概念は、哲学とは無縁な研究を通じて解釈上の仮説として作り上げられたものである」Fアルキエ 投稿者 乃依 日時 2004 年 6 月 01 日 03:30:20)
私の知人の子供も自閉症という診断をされていますが、言葉はうまく出てこない、動作がスムーズではない、という特徴は見られるものの、目線は実にピュアで、人や生き物のあり方を価値判断せずにまるごと受け止めている、という印象があります。けっしておどおどとしていたり、対人恐怖感が潜んでいたりというものではありません。
脳神経機能に先天的な障害があるんだな、とすんなり納得できます。
ダウン症と違って一見の外見からは判別しにくい知的障害、という印象に近い。
しかし、自閉症の一形態として、サヴァン症候群というものもあり、こちらは、信じられない程天才的な能力を、ある特定の分野に対して持つことで知られており、そういう意味でも「宇宙人的」な資質を持っている人々かもしれません。
生活には色々な困難を伴うけれど、ある意味で「天使」のような人々、という印象さえあります。
ダウン症に関しては、高齢出産との関連は取りざたされるものの、母子関係に原因があるなどと言う説は、ほとんど聞いたことがありません。
上野千鶴子氏の「自閉症」についての認識には、閉口させられますが、彼女が精神分析の領域である後天疾患としての「対人恐怖症の極度なもの:コミュニケーション障害、失語症などを伴ったもの」という認識で自閉症を定義しているのだとしたら、そういう対人恐怖症自体に対する認識についてもひとつ大変な誤りを犯していると思います。
かすかな恐怖感や拒否感が目に表れる、自分を表現することを躊躇する、神経症的、ひきこもり的、などということが小さい子供に顕われている場合、確かに親子関係(或は保護者との関係、母親だけとは限らない)に原因があることが多い。
しかし、それは、子供を甘やかして過保護に育てるなどということが原因なのでは決してありません。よく"iced eyes"「凍りついた目」などという表現がありますが、そういう対人恐怖を感じさせる症状を持っている子供になる原因は、ほぼ100パーセント、何らかの「虐待行為」がその背後にあります。虐待には、殴る蹴る、煙草の火を押し付けるなどの肉体的暴力や過度な体罰、性的暴力、長時間閉所に閉じ込めたり寒い野外に放置しておくなどのせっかん、自分の価値観を押し付け、子供自身の考えを認めない強度の威圧による精神的無視(この中には、愛情の名のもとに、真綿で締め付けるように束縛していってしまう、母親なら母親以外の人間を信じないように仕向ける、というような一見甘やかしているように見える状態も含まれます)、ネグレクト(養育放棄)などがあります。
こうして、上野千鶴子は「自閉症」について、また「対人恐怖症」について、二重の誤った認識を提供しているということが出来ると思います。どちらにせよ、犯罪的なまでの、権威を利用したミスリードと言えるかも知れません。
しかしながら、対人恐怖症に近い意味での「自閉症気味」などという言葉は、殆ど無意識なところに植えつけられて、蔓延しきっている感もあり、言語的に難の多い言葉だとも思います。そういう意味では、上野千鶴子氏のようなミスリードを行う専門家にただツッコミをいれ続けても、誤解を晴らすのはむつかしいかも知れない。
例えば、自閉症ではなく接触認知機能失調症とか、フィードバック機能不全など、分裂症を統合失調症と呼び変えたように、より具体的で脳機能性疾患としての印象をもたれるような名称に変える必要があるかも知れません。