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(回答先: <食品汚染>カドミウム吸収抑制マニュアル作成 農水省【毎日新聞】 投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 5 月 24 日 01:02:09)
★ 以下に紹介する、土壌中のカドミウムを低減化するノウハウは、農地だけでなく、公園・学校の庭・個人の庭などに幅広く応用可能です。
そして、広範な地域で対策を施すことで、河川への流入を防ぎ、悪循環からプラスの循環に転換できるでしょう。
土壌中のカドミウムは、根を通じて農作物に吸収されますが、この吸収を抑制したり、土壌中のカドミウム量を減らすことによって、農作物中のカドミウム濃度を下げることが可能です。カドミウム低減化技術を開発するため、独立行政法人の農業環境技術研究所や農業・生物系特定産業技術研究機構が中心となり、大学、都道府県試験場、民間企業と協力しながら、研究開発を進めてきました。
その結果、いくつかの低減化技術が開発されつつあり、実用化された技術については、既に一部地域においては実践されておりますが、さらに広く利用していただくため、「カドミウムの吸収抑制対策技術マニュアル」として取りまとめて、このホームページに掲載いたしました。
現在、現場での体系化・普及や研究開発に取り組んでいる技術の概要について紹介します。
○コメのカドミウムの吸収抑制技術の体系化・普及
土壌中のカドミウムは、化学的に様々な状態で存在していますが、その化学的状態によって、農作物が吸収するカドミウム量が大きく変わります。その性質を利用して、土壌中におけるカドミウムの化学的状態を変えることによって、農作物のカドミウム吸収を抑制することが可能です。
具体的には、以下のような方法があります。
ア.熔成りん肥やケイ酸カルシウムなどのアルカリ性の土壌改良資材を散布して土壌のpHを高めることによって、カドミウムを土壌中のリン酸などと結合させ、植物の根からの吸収しにくい状態にします。
イ.水田では、田んぼに張る水の深さを調整して土壌を酸素不足の状態(還元状態)にすると、カドミウムは土壌中の硫黄と結合して根から吸収されにくい状態になります。具体的には、稲穂の出る前後3週間、水田に水を張った状態を保つことにより、コメに吸収されるカドミウムを減らすことができます。
また、これらの方法を組み合わせることによって、コメに含まれるカドミウム濃度を低減することが可能になります。
しかしながら、この技術の適用に当たっては、以下の点に留意する必要があります。
土壌の状況に応じて投入量の検討が必要です(「水稲のカドミウム吸収抑制対策技術マニュアル」参照)。
土壌条件などによって、効果に差異があります。
こまめな水管理が必要です。
◎カドミウム吸収抑制技術の適用事例
熔成りん肥を水田に散布し、稲穂の出る前後3週間、田んぼに水を張った状態に保ちました。
適用事例 | 玄米中カドミウム濃度 (ppm) | |
対策実施前 | 対策実施後 | |
ケース1 | 0.84 | 0.10 |
ケース2 | 0.75 | 0.05未満 |
ケース3 | 0.52 | 0.57 |
ケース4 | 0.82 | 0.79 |
○カドミウム吸収が少ない品種の選抜・育成
コメや大豆などの農作物では、品種によってカドミウムの吸収量が大きく異なることがわかってきました。
カドミウム吸収量の低い品種を選抜・育成し、その品種を普及していくことによってカドミウム吸収量を減らすことが可能になります。
○土壌浄化技術の開発
カドミウムを吸収しやすい植物を用いて、農用地土壌からカドミウムを回収することによって、土壌中のカドミウム量を減らすことができます。
カドミウムを効率的に吸収する植物の選抜・育成、効率的に吸収させるための栽培方法の確立、収穫した植物の処理技術の開発などについての研究を進めています。
農林水産省では、紹介したような技術開発を進めるため、次のようなプロジェクト研究を行っております。
○「農用地土壌から農作物へのカドミウム吸収抑制技術等の開発に関する研究」
カドミウム吸収の少ない品種の検索、土壌改良資材の利用や水管理を通じた営農技術の工夫などによるカドミウム吸収抑制技術を開発することを目的として、平成12〜14年度の3カ年計画で研究を進めています。
○「農用地土壌のカドミウムによる農作物汚染リスク予測技術の開発」
農用地土壌において、農作物に吸収されやすい状態にある「可給態カドミウム」の測定方法の開発やコメ、小麦、大豆などにおけるカドミウム吸収の低い品種を用いた実証試験を行うため、平成14〜16年度までの3カ年計画で実施していきます。
○「カドミウムを除去するファイトレメディエーション技術の開発」(農業・生物系特定産業技術研究機構のサイトへ)
カドミウムを吸収しやすい植物を用いて、農用地土壌からカドミウムを回収する技術を開発するため、平成13〜17年度までの5カ年計画で研究を進めています。