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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040521-00000001-kyt-l25
琵琶湖でコイヘルペスウイルスが猛威を振るっている。湖岸には連日、死んだコイが大量に打ち上げられ、まん延防止のため滋賀県が8つの漁業協同組合に依頼して進めている回収も追いつかない状態だ。アユの出荷最盛期を迎え、県外の漁協が湖産アユを買い控える動きもある。問題は深刻化している。
■たまっている
80センチほどのマゴイの入ったビニール袋がこの日も山積みになった。20日午後2時すぎ、大津市瀬田1丁目の瀬田町漁協前。袋から悪臭が漂う。漁協は県の委託を受け、8日から回収を続ける。「ヨシ帯や船着き場のよどみにコイがたまって浮いている」と磯田和夫さん(74)は話す。
県水産課によると、死んだコイの回収量は16日現在で1万799匹。近江大橋以南や彦根市の旧港湾、近江八幡市などの西の湖が目立つ。4月末から急増した。回収には当初、3漁協が当たったが、予想外の大量死に県は5漁協を加えた。県は「天然水域でのまん延防止には早期の回収しかないが、追いつかない」という。
■アユに影響
彦根市のアユ種苗販売・養殖会社「鳥塚」にはアユ購入を取り消す電話が相次いでいる。愛知県の2つの漁協が予約していた8トンをはじめ、石川県の10漁協の2トン、長野県の2漁協の2トンもキャンセルとなった。鳥塚五十三社長(56)はコイヘルペス問題が影響しているとみる。
全国ではウイルスが持ち込まれないよう警戒する動きも出ている。石川県は県内の漁協にコイヘルペスの発生地からアユなどを購入しないよう自粛を求めた。愛知県は琵琶湖産のアユにコイが交じっていないか、また輸送水に湖水が使われていないかを確認するよう、県内の漁協に要請した。
「琵琶湖のアユは地下水で育てている。出荷する際の輸送水も地下水で、コイは交じらないよう選別している」。県水産課の谷口孝男課長らは20日、京都市下京区の京都府内水面漁協連合会でアユの安全性を強調した。県職員は岐阜や広島など7府県をまわり、湖産アユを敬遠しないよう呼びかける。
■実験を開始
「マゴイとニシキゴイ以外の魚は感染しないといわれる」。農林水産省はそう説明する。1998年にコイヘルペスウイルスの発生したイスラエルで、研究者が「ソウギョやテラピアは感染ゴイと一緒に飼っても死ななかった」と報告しているのが根拠だ。ただ、このなかにアユは入っていない。
滋賀県は漁獲したアユをコイと同様に検査しているが、いずれも陰性反応だという。独立行政法人「水産総合研究センター養殖研究所」(三重県)は近く、ウイルス感染の有無を調べるため、感染ゴイと一緒にアユを飼う実験を始める。
コイヘルペスに詳しい東京海洋大の福田頴穂教授は「まん延防止の有効な対応策はない。ウイルスが死滅する30度以上に水温を上げるか、コイを全部処分するしかないが、琵琶湖の場合、現実には不可能だ。アユの出荷時にコイが混じらないようにすれば、県外への感染はないと期待できる」と話している。(京都新聞)
[5月21日3時10分更新]