現在地 HOME > 掲示板 > 不安と不健康8 > 485.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 糖尿病に劇症型 学会が実態調査 (朝日新聞) 投稿者 ZUMA 日時 2004 年 5 月 18 日 15:17:30)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/saisin/sa430201.htm
◆生命の危険も
口の渇きや呼吸困難を訴えて救急外来を受診したA子さん(27)。血糖値が異常に高く、血液が酸性になる状態に陥っており、命が危ない。直ちにインスリンと大量の生理食塩水の点滴治療を受けた。過去2か月の血糖値の平均を示す検査値は正常なのに、インスリン分泌は、ほぼ枯渇しており、急激に発症した「劇症1型糖尿病」と診断された。
糖尿病には、患者のほとんどを占める生活習慣病の2型糖尿病と、インスリンが分泌されないために起こる1型糖尿病がある。1型は糖尿病全体の5%程度と少ないが、小児で多く、急性に発症するのが特徴だ。
その1型の中でも、極めて急激に発症する「劇症型」があることを大阪医大内科助手の今川彰久さんらが2000年、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに初めて報告した。
日本糖尿病学会は実態を把握する委員会(牧野英一委員長)を設置し先月、診断基準などを発表。委員11人の医療施設で過去10年間に1型患者の222人中43人(19%)が「劇症型」とみられた。
劇症型の平均血糖値は約800(ミリ・グラム/デシ・リットル)と、健康人(食後で140未満)の5倍以上もあり、1000を超えることも珍しくない。にもかかわらず、過去2か月の平均血糖値を示すヘモグロビンA1cは、平均6・4%(正常値5・8%未満)と、それほど高くないのが際立った特徴だ。
A子さんも来院時には血糖値は980あったが、ヘモグロビンA1cは5・5%と正常値内だった。
これは極めて短期間にインスリン分泌がなくなることを示しており、通常の健診ではひっかからない。
男女差はほとんどなく、平均発症年齢は40歳前後。女性は妊娠中や出産後の発症が多いのも特徴だ。調査委の報告でも妊娠中に発病した場合、胎児は助からないことが多かった。A子さんも直前に妊娠五週で流産していた。
患者は風邪や腹痛といった症状で受診することが多い。ある男性(42)は口の渇きやおう吐で病院に行き、薬をもらって帰宅。翌日、救急外来を受診したが、帰宅するよう言われた。翌日こんすい状態に陥り、間に合わず死亡した。
大阪医大内科教授の花房俊昭さんは、「急激に進行するため、治療が遅れると命にかかわる。多い病気ではないが、特に開業医は、この病気のことを頭に置いておいてほしい」と、警告する。原因は不明だが、急激に発症することなどから、ある種のウイルス感染が引き金ではないかと疑われている。
発症時の治療には、生理食塩水の大量補液と、インスリン療法が行われる。症状が落ち着いた後もインスリンを分泌する能力は失われているため、普通の1型糖尿病と同様のインスリン治療が必要だ。(田村 良彦)
(2004年3月2日 読売新聞 無断転載禁止)