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徳島県阿南市のJAあなんは5日、出荷したハウス栽培のスダチから、食品衛生法で定められた安全基準値の最大5.6倍にあたる残留農薬が検出され、出荷済みのスダチ約26トンの自主回収を3月末から始めたと発表した。スダチは同県内のほか、関東や京阪神、中京方面などに出荷されている。農家の農薬の使用記録では県が定める植物防疫指針に沿っており、県農業経営課は「なぜ今回に限って基準値を上回る残留農薬が検出されたか原因を調査したい」としている。
JAあなんによると、農薬は殺菌剤のプロシミドン(商品名スミレックス)。この殺菌剤を使った同市内の農家1戸について自主検査したところ、3月17日に基準値(0.50ppm)を上回る1.44ppmを検出した。
このため、この農家の出荷を停止し、同市と隣接の鷲敷町の農家27戸について26日に調査。その結果、22戸のスダチから基準値を上回る残留農薬が検出され、最高で2.8ppmだった。
今季の出荷が始まった3月9日から同30日までに約32トンが出荷されたが、無農薬栽培や基準値内と確認できた計約6トンを除いた約26トンについて、同31日からスーパーや量販店などに店頭からの撤去を依頼、4日現在で約189キロを回収したが、一部はすでに販売されたという。
県の植物防疫指針によると、この殺菌剤の散布方法は開花期に1500〜3千倍に薄めた液の散布を3回以内と定めている。JAあなんの篠岡守組合長は「ご心配をおかけして申し訳ない。農薬そのものに問題があったか、散布方法なのか、調べたい」と話している。
県農業経営課は「残留農薬が最大値のスダチでも、体重50キロの人が毎日625グラムを食べても厚労省が定める一日の摂取量以内なので健康に影響はない」としている。
02年の同県産のスダチ(青果)の販売金額は約23億円で、全国シェアの98%を占める。ハウス栽培のスダチは3月下旬から8月にかけて出荷され、阿南市は春季の生産地となっている。
(04/05 13:53)
http://www.asahi.com/national/update/0405/020.html