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睡眠障害を改善 オレキシンの投与で
日中に突然、深い眠りに陥る睡眠障害ナルコレプシーは脳内で分泌されるタンパク質オレキシンの投与で改善できることを米国テキサス大の柳沢正史教授(分子遺伝学)らがマウスの実験で確かめ、15日付の米科学アカデミー紀要電子版で発表した。
ナルコレプシーには覚せい薬の投与など対症療法しかなかったが、同教授らは、今回の研究は根本的な治療につながる成果、としている。
柳沢教授らは、1998年に食欲促進物質として発見したタンパク質オレキシンが、脳の視床下部でつくられ、浅い睡眠状態であるレム睡眠などを調整する脳内物質であることを突き止めた。
オレキシンを分泌しないように遺伝子操作したマウスは、活動中に突然、眠ってしまうなどの症状が現れた。また、ナルコレプシーの患者の95%でオレキシンが欠乏していることが別の研究で明らかになった。
その上で、オレキシンを分泌しないマウスの脳内にオレキシンを注射すると、覚せい時の行動が正常になることを脳波で確認した。
(共同通信)[3月16日7時45分更新]